コラム
» 2013年09月30日 12時40分 UPDATE

『あまちゃん』最終回記念:来てよその“日”を飛び越えて――今こそ、震災復興ツーリズムのススメ (1/9)

9月28日、半年続いたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」が最終回を迎えました。岩手県久慈を舞台に、東日本大震災の前後を描いたこのドラマ。ドラマを楽しんだ方にはぜひ、東北へ足を運んでほしい。被災地の「今」を、写真多めで紹介します。

[本橋ゆうこ,Business Media 誠]
誠ブログ

 9月28日、半年間続いたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の最終回が放送されました。最終回で描かれたのは、2012年7月1日の北三陸。東日本大震災から1年3カ月後の岩手県久慈市です。

ay_amachan00.jpg 一大ブームを起こした「あまちゃん」。久慈市小袖地区の方言だという「じぇじぇじぇ!」とともに、主演の能年玲奈さんも一躍有名になった

 劇中では、脚本家の宮藤官九郎さんが作詞した「潮騒のメモリー」という曲が何回も流れます。この曲の中に「来てよその“火”を飛び越えて」というフレーズがあるのですが、この歌詞についてチーフ演出の井上剛さんは「『来てよその火を飛び越えて』というのは多分、『来てよその“日(3.11)”を飛び越えて』。『また東北に来てね』ということだと思います」と話しています(参照リンク)

ay_amachan01.jpgay_amachan02.jpg NHK「あまちゃん」公式サイト(左)。井上剛さんインタビュー(右)

 宮藤官九郎さんは東北・宮城県の出身です。最終回よりもさらに1年後、大震災から2年半後の2013年夏、東北の被災地はどうなっていたのか?――「東北に来てね」というメッセージに応えるように、この夏、青春18きっぷで東北の被災地をめぐった誠ブロガー・本橋ゆうこさんの旅日記を、以下転載します。「あまちゃん」を見ていた人も、見ていなかった人も、この機会にぜひ本橋さんの旅を追体験してみてください。たくさんの写真を見るだけでも、被災地の今の状況が伝わると思います。

 本橋さんは仙台や岩手のあちこちで、撤去・解体目前のさまざまな震災遺構を目にしています。各地に残る震災遺構。あなたはのこすべきだと思いますか? それとも撤去すべきだと思いますか?(編集部・吉岡綾乃)

青春18きっぷで東北・三陸方面へ旅に出る

 大人気のNHK朝ドラあまちゃんも震災編に突入し、物語のラストまで秒読みというこの時期。あえて今、東北の被災地を巡る旅に出てみた。それも、懐かしの青春18きっぷを使って、電車とバスだけのアナログ旅である。(ついでに言うとスマホやノートPCといった文明の利器の類を携行しないという意味でもびっくりするほど超アナログだ)

 目的は、大真面目に「3.11で被災した東北の復興応援」である。(キリッ)

 そもそも青春18きっぷとは? JR東日本の解説ページによれば「JR全線の普通列車(快速含む)の普通車自由席及びBRT、並びにJR西日本宮島フェリーがご利用になれ」る、とある。価格は1万1500円。これ1枚あれば、基本的には日本中にあるJR各線の普通列車が1回あたり2300円で一日乗り放題という、スーパーなチケットだ。「青春」と付いてはいるが、別に年齢制限はないので大人でも子供でも同額で使える。(一券片で5人まで利用可能、1人当たりの有効期限は1日)

 改札で青春18きっぷにスタンプを押してもらい、旅の始まりである。まずは始発で北関東を出発し、JR大宮駅から宇都宮線に入って東北本線をひたすら北上する。アナログ旅という性質上、当然のことながら飛行機や新幹線などの「時間を金で買う」系の、速くて高額な移動手段は使わない。スマホでルート検索もしない。

 紙のポケット時刻表とにらめっこしつつ、脳内で組み立てた完璧な「乗り替えプラン」を遅滞なくこなしてゆく……それが青春18きっぷの、鈍行列車アナログ旅の味わいというものである。これは貧乏とかではない、例えて言うなら現地のお年寄りや子供、自動車を運転できない弱者の目線を追体験するのだ……自分に言い聞かせながら、乗り替え30分待ちの途中駅で駅そばのうどんをすすった(うどん、大変おいしゅうございました。)。

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