東日本大震災の「震災遺構」をどうするべきか?という問題は、石巻以外の地域でも議論の対象となっている。テレビで有名になった陸前高田のいわゆる「奇跡の一本松」などは、枯死してしまう木の寿命があって、大急ぎで保存措置が取られたという面もあるので、それらの中でも決着が早かった方になるだろう。
一方、同じくテレビで有名になった遺構でも、それぞれ明暗は分かれている。女川では「津波の直撃を受けて、基礎ごと横倒しになったビル」の映像が強烈な印象を残した。
実際に近くで見ると、コンクリートのビルを、まるで消しゴムか何かのように易々と引き倒してしまった津波の威力に心底、恐怖を覚える。しかしこれも、被災の記憶を思い出して辛いという住民の声や、港の真正面に位置することから復興の妨げになるとして、早急に撤去を求める声も一部にあると聞く。
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