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» 2011年03月31日 08時00分 UPDATE

原発事故はいつ収束するのか?――東京電力・勝俣恒久会長が事故後初の会見 (1/9)

福島第1原発の事故発生以来、初めてメディアの前に顔を出した東京電力の勝俣恒久会長。指揮を執っていた清水正孝社長が体調不良で緊急入院したことを受けての登場だったが、原発事故収束や損害賠償、発電設備の復旧の見通しなどについて語った。その内容を詳しくお伝えする。

[堀内彰宏,Business Media 誠]

 東京電力の勝俣恒久会長は3月30日、東京電力福島第1原発の事故発生以来、初めて記者会見に出席。指揮を執っていた清水正孝社長が、3月29日夜に体調不良で緊急入院したことを受けての代打としての登場だったが、福島第1原発の事故収束や損害賠償、発電設備の復旧の見通しなどについて語った。

ah_touden1.jpg 左から4番目が勝俣恒久会長。ちなみに会場内の社員は作業服、会場外の社員はスーツで服装が統一されていた

原子力損害賠償制度に基づいた補償の準備を進めている

勝俣恒久会長 本来、年度末までに(清水)社長から報告させることを考えていましたが、清水が体調を崩し、昨晩入院しましたことから、急きょ社長に代わってお話させていただくことになりました。結果として、3月13日に社長が会見して以降、今日の会見まで時間が経ってしまいました。大変申しわけなく思っています。

 まず、このたびの大震災で被災した方々に、衷心よりお見舞い申し上げます。また、福島第1原子力発電所の建屋の爆発や、放射性物質の外部への放出という重大な事故、これによる大気や水質への拡散、作物や飲料水への影響の拡大など、広く社会のみなさまに大変なご不安、ご心配とご迷惑をおかけしていることに対して、心から深くお詫び申し上げます。

 特に福島原子力発電所を設置させていただいている大熊町、双葉町、富岡町、楢葉町のみなさま、その周辺にお住まいのみなさまには、このたびの大地震とその余震への不安に加え、放射性物質の放出により、長距離の移動を伴う避難や、屋内退避、避難所生活など、大変過酷な状況を強いることになり、心身両面で大変なご苦労とご不便をおかけしていることについて、本当に申しわけなく思っています。

 また、佐藤雄平福島県知事を始め、福島県のみなさまにおかれましては、大震災からの復興や救援活動などにご注力いただけなければならない状況の中で、加えてこのような事態を引き起こしてしまったことで、大変なご迷惑やご心配をおかけしていることに対し、重ねておわびを申し上げます

 福島第1原子力発電所の状況については、武藤副社長が毎日会見を開いて、ご説明させていただいておりますが、1〜6号機まで一応の安定を見ることができました。なお、1〜4号機については、残留熱除去など、最終冷却を実現できていない状況にあります。

 こうした中で現在、政府関係各省庁、自治体、自衛隊、東京消防庁、日本各地から集結された緊急消防隊、消防救助隊のみなさま、警察のみなさま、加えて、米国やフランスを始め、海外諸国からの物資や技術的支援、そしてメーカーやゼネコン、協力企業のみなさまなど、多方面の方々からのご支援とご協力をあおぎながら、事故の拡大防止と事態の収束に向けて、全力をあげて取り組んでいるところです。

 このような状況にあって、当社としては「少しでも被災された地域のみなさまのお役に立ちたい」という思いで、避難開始直後から発電所員が避難所へ常駐し、生活必需品をお届けしたり、当社から社員を多数派遣し、避難所での物資の積み降ろしや食事の配膳をお手伝いするなど、可能な限りお力になれるよう努めているところです。

 なお昨日、原子力安全・保安院より、原子力被災者生活支援チームの設置が発表されましたが、当社としても、支援チームと緊密に連携をはかり、被災されたみなさまの生活支援に取り組んでいくため、福島県地域支援室を新たに設けます。

 また、今回の事故はこのたびの震災に起因するものですが、放射性物質の放出によって生じたさまざまな原子力損害に対しては、国の支援をいただきながら、原子力損害賠償制度に基づき、誠意をもって補償に向けた準備を進めています。

 一方、今回の大震災に起因して、当社の発電設備も大きな被害を受けたため、日によって電気を安定的にお送りすることが困難な状況となっています。そのため、より深刻な広域停電を回避するため、3月14日からやむなく計画的な停電を実施させていただいています。これにより、当社のサービス区域にお住まいのみなさまには、大変なご不便とご迷惑をおかけしておりますことに、心からおわび申し上げます。

 これまで、みなさまのご理解と鉄道や工場の操業の調整、オフィスや家庭における節電などの幅広いご協力、関係大臣やメディアのみなさまによる計画停電に関する適切な情報の発信など、さまざまな協力をいただいていることで、不測の広域停電といった事態を回避できています。

 当社は現在、供給力の確保に全力をあげていまして、冷房需要が急増する夏、7月末には4650万キロワットまで供給力を回復させる考えです。今後、ガスタービンを主力として、さらなる大幅な供給力の上積みを目指し、全力をあげて取り組んでいきます。

 一方、需要面では政府に総合的な需要抑制のための政策を検討していただいていますが、私たちとしても政府と緊密に連携させていただき、国民のみなさまや産業界のみなさまの節電へのご理解、ご協力を広くたまわりながら、夏の計画停電は最小限にとどめ、さらに回避すべく、あらゆる努力をしていきます。なにとぞよろしく申し上げます。

 最後に、繰り返しになりますが、私どもとしては引き続き、政府自治体と緊密に連携をはかりつつ、電力各社の応援をいただきながら、これ以上の事態の悪化を防ぐとともに、事態の収束に向けて全力を傾けていく所存です。

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