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» 2011年03月31日 08時00分 UPDATE

原発事故はいつ収束するのか?――東京電力・勝俣恒久会長が事故後初の会見 (5/9)

[堀内彰宏,Business Media 誠]

できれば民営でありたい

――(日経新聞)今、政府の中でもこれから膨大な損害賠償を背負う東電が、純粋な民間企業として存続できるか危ぶむ声が出ています。国有化すべきという意見もあります。東電が純粋な民間企業として、存続できると考えていますか?

勝俣 国有化議論などいろいろなご意見がありますが、私たちとしては民営でありたいです。そのために最大限の努力をすると考えています。

――(日経新聞)「福島第1原発第1〜4号機の廃炉やむなし」とコメントされましたが、廃炉費用はどのくらいでしょうか?

勝俣 どこまでを見るかによりますが、当面はまず放射能を閉じこめ原子炉を安定させる、遮蔽(しゃへい)までの費用ということになろうかと思います。ただ、その辺はまだまだとても試算するような状況にはありません。というのは、まだまだいろんな手段を検討し、ありとあらゆることを考えながら、早急にできる限りの手段で実現したい状況なので、まだまだ費用を試算するには至りません。

――(日経新聞)この原発事故の後は、日本のエネルギー政策は大きく変わらざるをえないと考えます。東電は今、福島第1原発7、8号機、東通原発1、2号機と4件の新設計画がありますが、完全に白紙に戻すのでしょうか。

勝俣 私たちで増設などを計画しているところは、「今後の日本のエネルギー政策をどういう風に考えるか」、そして「原子力をこれからも拡大することを認めていただけるのかどうか」という問題の1つの焦点と考えています。これも今、私たちが考えるということにはなかなかならないと思います。

――(東京新聞)今回の事故の要因として清水社長は「津波のレベルが想定外だった」とおっしゃっていますが、東電として津波対策が足りなかったという反省はあるのでしょうか。菅直人総理の「津波の見通しがそもそも甘かった」という発言もありますが。

勝俣 今回の津波によって大惨事を引き起こしたわけで、そういった意味合いにおいては対策が不十分だったということかと思います。従って、これまでの経緯など含めて、津波対策が十分であったのか、足りなかったことがあったのか、こうしたことについては今後十分に詰めていきたいと思っています

――(東京新聞)「この事故が収束するまで陣頭指揮をとるのが経営責任のとり方だ」とおっしゃいましたが、清水社長は経団連副会長も電事連会長も務めています。これらの兼務について、どうお考えですか。

勝俣 いずれこれもまた連動していくというか、どういう格好で整理するかというのは今後の課題です。

――(ITmedia)統合対策本部の会議では議事録をとっているのでしょうか。もし、とられていたら、それを後ほど公開されることを考えていますか。

勝俣 記録的なものはあります。これについては今後、私たちとしてもしっかりと検証していくことになりますが、私たちのものだけではなくて、経産省や官邸と共同で所有しているものということなので、こうした調整が今後どうなるかによるかと思います。

――(ITmedia)勝俣会長としてはどうされるべきだとお考えですか。

勝俣 どういう風に議事録をとられているかというのは、私自身まだ実物を見ていないのですが、非常に細かなものもあるし、それぞれがメモでとっているものもあります。こうしたものをどうやって集約していくかというのが、今後の私たちの責務であると思っています。

――(ネイビー通信)佐藤雄平福島県知事は、原発推進派の知事として、今回の福島第1原発のプルサーマルの受け入れの段階で安全性を承認し、耐震についても津波についても安全性を承認している人間であるにも関わらず、清水社長の謝罪を受けませんでした。自衛隊は激励するが、東電の方は差別的に扱うということについて、不満や憤りはありますか?

勝俣 私たちはもうそんなことを言える立場ではなくて、「謝罪におうかがいしたい」と言ったところ、「全体の安定の収束へ、全力を尽くしてほしい」と知事側からお聞きしたと聞いています。

――(ネイビー通信)佐藤知事は自分の責任から逃れようと、ただパフォーマンスをしているだけだと、国民のみなさんは思っていると思います。東電さんはそう言われますが、謝罪する対象は県知事ではなく、福島県民の方々ですよね。社長が最近まで元気だったということですが、なぜ現地で県民に謝罪をしていないのでしょうか、これからするのでしょうか。

勝俣 「何をもって福島県民への謝罪になるか」ということもあります。今までもおわびなども含めて、県知事や関係市町村などにおうかがいして、あるいはその議会でいたしています。今回また何か別の方法があれば、それはそれで考えていきたいです。

――(ネイビー通信)妥当な方法は現地に行って、とにかく現地で県民に対して謝罪をすることだと思います。もう1つ、取締役会の議決事項で金融機関への支援要請が行われましたが、その中に信金中央金庫も入っていますか?

勝俣 ちょっと私もそこまで確認していないのですが、これは後ほど調べて事務方から……。

――(ネイビー通信)当然ほかのメガバンクならいいのですが、信金中央金庫の場合、信用金庫の中央金庫なので、信用金庫自体が被災していたり、そのお客さん自体が被災しているので、もし信金中央金庫が入っているならちょっとそれはやめていただきたいなと思うのですが。

広報 個別のご契約の内容や、融資の内容にもよりますので、これ以上のお答えは控えさせていただきたいです。

――(朝日新聞)「肩書き的には無任所だ」とおっしゃいましたが、組織として社長というポジションがいないデメリットをどうとらえていますか。特に長期化した場合、どういう困った点が出てくるのでしょうか。

勝俣 基本的には社長は業務執行の最高責任者です。従って、決定がスムーズにいかないといったような問題も含めて、種々の問題が生じると考えています。

――(朝日新聞)勝俣会長が今は実質の最高責任者ということでうかがいたいのですが、先ほど県民のみなさんというお話はありましたが、東電社員、協力会社、あるいはその家族のみなさんに対して、最高責任者としてどういうメッセージをお持ちですか。「給料払ってるからちゃんと働いてくれ」ということなのか、「契約があるから働いてくれ」ということなのでしょうか。

勝俣 これはもう(清水)社長からすでに出しています。「大変厳しい状況の中で、みなさま、またご家族も心配でしょうが、一生懸命いろいろ職務に励んでいただきましてありがとう」というような趣旨をほかにもいろいろとありますが、そういったことです。

――(CNN)この事故は日本国内のみなさまを初め、世界各国が非常に心配しています。今、国内のみなさまにお詫びしましたが、世界に向けてのメッセージはありますか。今、他国への影響はどんなことがありますか?

勝俣 諸外国にご心配、ご迷惑をおかけしたことを大変申しわけなく思います。そうしたことについて、種々の手段を通じて、当社からも発信し、今の現状などを海外のみなさまにもできる限り知っていただくような努力は進めています。

 そうした中で、直接的な意味合いでの放射能汚染などは、現時点ではほとんどないと思っています。しかし、農産物の輸出入など、不安を与えていることを大変申しわけないと考えています。

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