第9回 専門知識を身体感覚で理解させる方法(前編)新入社員がやってくる──専門知識を教える技術(4/5 ページ)

» 2008年05月07日 20時01分 公開
[開米瑞浩,ITmedia]

イメージを持ちやすいような教材の提示方法を工夫しよう

 イメージを持たないまま練習しても身につかない。ということを逆に考えれば、

  • 学習者がイメージを持って試行しやすいような形に教材を作れれば、学習効率を大幅に向上させられる

 という期待が持てるのではないでしょうか? 実際この答えはYESで、「教材を工夫する」という教える側の努力でこの問題はある程度解決できます。

 もう一度、「イメージを持つ」とはどんなことか、その一節の記述を見てみましょう。

  • 「ある入力値が、どんな出力値になるのか、その理由は何か」という動作イメージ

 が必要だ、と私は図3で書きました。つまり、イメージを持つためにまず最初に必要なのは、

  • どんな入力値が存在するのか?

 というこの疑問への答えを考えやすくすることです。そこで、図4を見てみましょう。

 図4では2択パターンと4択パターンの2種類を掲載しましたが、2択パターンを見た人は当然、

  • まっさきに、AとBの白黒が逆転したパターンを想像する

 はずです。一方、4択パターンを見た人は

  • A〜Dのそれぞれがどれか1つだけ反転しているパターンを想像する

 ことでしょう。ばからしいぐらい当たり前のことですが、人が何を選択肢としてイメージするかは、かなりの範囲で「教える側によるコントロール」が可能です。であれば、教材を制作する時にもこの点を意識して作らなければいけないわけです。

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