アリタリア-イタリア航空で、人気渡航先No.1のイタリアへ秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(3/5 ページ)

» 2012年06月26日 08時00分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]

パイロットが絶大な信頼を寄せる777

 途中、この便の機長であるレンツォ・ガスパリーニさんが上空で私のインタビューに応じてくれた。パイロットの交代の時間になり、キャビンに顔を見せたガスパリーニさんは、口数こそ少ないもののとてもフレンドリーなイタリアン。アリタリアひと筋に26年間勤務を続け、社内でもみんなから信頼されているベテラン機長だ。

 「MD-8やDC-10を始め、エアバス機やボーイング767など、これまでいろんな機種のコクピットを経験してきた」と、ガスパリーニ機長は言う。「その中でもこのトリプルセブン(777)は、私にとって間違いなくナンバーワンの機材だね」

 上空で高度を上げたり、左右に旋回しようとコクピットで操作した場合、パイロットの意思が機体に伝わるまでに多少のズレ(タイムラグ)が生じる。けれども、777にはそれがない。まるで自分の手足のようにリアルタイムに、過不足なく忠実なパフォーマンスを発揮してくれる──そうガスパリーニ機長は言うのだ。

飛行機と空と旅 機長から「ナンバー1の機材」と評価も高い“トリプルセブン”(撮影:チャーリィ古庄)

機長は意外にも大の“日本びいき”

 アリタリア-イタリア航空は現在、777を長距離国際線の中心機材として運航している。ガスパリーニ機長もこれまで、その777を操って欧州域内はもちろん北米や南米、アジアなど世界の空を飛んできた。

 では、自分で操縦していて一番好きな路線は? 私のそのちょっと意地悪な質問に、彼は間髪を入れずに答えた。

「日本だよ。当然ね。だって食べ物はおいしいし、知り合う人がみんな親切でやさしい。彼らが暮らす国へまた飛んでいけるという日は、前の晩からワクワクする気持ちを抑えられないよ。ミスター・アキモト、日本のみなさんに私からよろしくって伝えておいてくれるかい?」

飛行機と空と旅 チームワークも抜群のクルーたち。右から2番目がレンツォ・ガスパリーニ機長

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