アリタリア-イタリア航空で、人気渡航先No.1のイタリアへ秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(5/5 ページ)

» 2012年06月26日 08時00分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]
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市内を巡る赤いオープンデッキ バス

 翌朝、ホテルのレストランで朝食を摂ったあと、カメラバッグをもってテルミニ駅前のバス乗り場に向かう。ローマ市内を効率よくまわるなら市が運営する観光バス「110 open」を利用するといい──イタリア政府観光局の知人に出発前にそう教えられ、駅前の停留所から2階建ての赤いオープンデッキ バスに乗り込んだ。

 10分間隔で運行され、9カ所の停留所に止まりながら観光名所をたどるこのバスは、乗りっぱなしでも1周に約2時間かかる。48時間有効のチケット(18ユーロ=約1800円)を買うと、どの停留所でも乗り降りが自由だ。停留所で待っていれば、すぐに次のバスがやってくる。結局私は、バスに揺られて丸一日遊んできた。

 テルミニ駅前を出発すると、やがて前方にコロッセオが見えてくる。まずはそこで下車して、撮影がてら内部を見学したあとは、次なる目的地ベネツィア広場へ。ベネツィア広場からはのんびりと徒歩で周辺を散策し、昼近くになってランチを予約しておいたローマ料理レストランを訪ねた。

飛行機と空と旅飛行機と空と旅 10分間隔で運行され、9カ所の観光名所をたどる赤い観光バス「110 open」(画像をクリックすると拡大します)

日本人クルーおすすめのレストランへ

 ベネツィア広場に近い「IL GIARDINO ROMANO」という名のその老舗のローマ料理レストランは、成田からローマへのアリタリア-イタリア航空AZ785便の機内で日本人機内通訳の一人、三倉芳実さん(3ページ下の写真の左から2番目)が「本当においしいから、時間があったらぜひ行ってみて」とすすめてくれた。

 彼女の一番のおすすめはアーティチョークを使った料理。イタリア語のメニューしかなかったので、マネージャーに相談して決めたのが「カルチョーフィ アラ ジュディーア」だ。カルチョーフィというのがアーティチョークのこと──日本語に訳すと「朝鮮アザミ」で、それをユダヤ風にシンプルにからりと揚げたのがアラ ジュディーアである。料理を自然光で撮りたいと言ったら、まだ準備ができていなかった中庭のテラス席を急いで用意してくれた。あとで知ったことだが、店名のIL GIARDINO ROMANOとは「ローマの庭」という意味らしい。スパゲティ カルボナーラと赤のグラスワイン、スパークリングウオーターのボトルを合わせてオーダーし、値段は締めて21ユーロ(約2100円)。大満足のひとときだった。

飛行機と空と旅 ローマ料理レストラン「IL GIARDINO ROMANO」で味わったアーティチョーク&パスタ

 その後も、ナヴォーナ広場やサン・ピエトロ大聖堂、トレヴィの泉、スペイン広場などの観光名所をぐるっとひと巡り。有名な観光スポットに近づくにつれ、道路はクルマが数珠つなぎになってなかなか前に進まない。けれど、もともと私は大の乗り物好き。2階のオープンデッキから街を見下ろすアングルが快適で、私には渋滞さえもが心地よく思えた。

著者プロフィール:秋本俊二

著者近影 著者近影(米国シアトル・ボーイング社にて)

 作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各メディアにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオのコメンテーターとしても活動。

 著書に『ボーイング787まるごと解説』『ボーイング777機長まるごと体験』『みんなが知りたい旅客機の疑問50』『もっと知りたい旅客機の疑問50』『みんなが知りたい空港の疑問50』『エアバスA380まるごと解説』(以上ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)、『新いますぐ飛行機に乗りたくなる本』(NNA)など。

 Blog『雲の上の書斎から』は多くの旅行ファン、航空ファンのほかエアライン関係者やマスコミ関係者にも支持を集めている。


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