いや、誰にも邪魔されずに──と言ってしまうと、正確ではない。「乗った瞬間からそこはイタリア」というのが、アリタリア-イタリア航空のサービスコンセプトだ。そのサービスを満喫するには、陽気なキャビンクルーたちとのコミュニケーションもとても重要な要素になる。
ご旅行ですか? ローマでのご滞在はどちらに? フライト中、クルーたちに何度も話しかけられた。みんなとにかく話し好きなのだ。日本路線には日本人機内通訳も2名が乗務いている。ローマでおすすめの最新スポットについて、あるいはイタリアの食やワインについて、いろいろ質問してみるとより会話も弾むだろう。
ビジネスクラスとはいうものの、キャビンを見わたしてみると、旅行者風の人たちも少なくない。“ネットワークキャリア”を目指す他のヨーロッパ系エアラインでは、乗客の6、7割がそれぞれのハブ空港で乗り継いでヨーロッパの別の国・都市に向かうのに対し、アリタリア-イタリア航空の日本からの乗客はほぼ8割がイタリア1カ国だけを目的地としている。ファッションやデザイン、アート、音楽、グルメなどを楽しむことを目的に。
そしてそれぞれが、目的地に着く前から機内で「イタリア」を満喫している。毎日1万2500余りのフライトを170カ国・900近い路線で運航しながら、アリタリア-イタリア航空はどの都市に飛ばすにも頑固なまでに独自のサービススタイルをくずさない。その最たる例が機内食である。
アリタリア-イタリア航空では、イタリアの北から南まで地方色豊かな食材と料理が楽しめる「郷土料理シリーズ」を展開している。メニューは3カ月ごとの更新だ。
パルマ産の生ハムや野菜のマリネなどの前菜に続いて、一皿目のパスタ料理がカートで運ばれてくる。メニューには「アスパラガスとズッキーニのオレッキエッテ・パスタをベーコンと赤ワイン風味で」と「マテーラ風カヴァテッリ・パスタ」の2種類。好みに応じてクルーが取り分けてくれる。両方ともトライしてみたい──そう私が言うと、クルーは2種類を皿にきれいに盛りつけてくれた。
パスタを食べ終えると、いよいよメイン料理だ。肉料理または魚料理のどちらかを選択できる。私は「レモンとコリアンダー風味の魚のロースト」をオーダーした。他の乗客たちも、料理をひと口味わってはワイングラスに手を伸ばし、誰にともなく満足げにうなずいている。イタリアンスタイルはアリタリア-イタリア航空によって、まさに世界に運ばれているのだ。
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