なぜ沖縄の人は「レトルトカレー=元祖ボンカレー」なのか仕事をしたら“レトルトカレー”ができた(後編)(4/5 ページ)

» 2014年02月05日 08時37分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

消費者や流通などからそっぽ

土肥: 「ボンカレーは古臭い」というイメージがあって、「ボンカレーは高い」という事実があって、消費者や流通などからそっぽを向かれてしまった。で、どうされたのですか?

垣内: もちろん指をくわえていただけではありません。業界に先駆けて、電子レンジ対応のパッケージを採用しました。従来のモノは火や熱湯を使わなければいけなかったのですが、新しいタイプのモノはフタをあけて、箱ごとレンジでチンすれば食べることができるようになりました。

 「古臭い」イメージを払拭するために、季節限定の商品を投入するようにしました。定番ラインアップ(甘口・中辛・辛口)のほかに、2013年の夏には「超熱辛」を発売。また冬には「ホワイトカレー」を発売しました。ホワイトカレーはシチュー仕立てで、隠し味にホワイトショコラを使いました。

土肥: 効果はあったのでしょうか?

垣内: 2013年12月の売り上げをみると、対前年同月比で138%でした。

土肥: おー。

垣内: さらに46歳の誕生日(2月12日)には、定番ラインアップに「大辛」が追加されます。このようにいろいろな商品を出すことで、消費者に「お、ボンカレーも新しいことをやっているな」と感じていただくことが大切だと思っています。

 あっ、そうそう。2月に「大辛」を発売しますが、誤解されている人が多いんですよ。他のメーカーの商品は辛味の成分を足して、辛さ「2倍」「3倍」……「10倍」などと書いているのですが、ボンカレーは違う。それぞれの種類によって、レシピが違うんですよ。

土肥: ほー。ということは、違う商品名で売り出すこともできるというわけですね。

 新商品を次々に出すことで、「これ、食べてみようかな」という人は出てくるでしょうね。ただ、懸念がひとつ。

垣内: 何でしょうか?

土肥: 「ボンカレーが間違った方向に行かないかな」ということです。他のメーカーの商品……これはレトルトカレー以外のモノにも言えることですが、奇をてらいすぎて「なんだこれは!?」といったモノがありますよね。へき地に行かなければ手に入らない素材を使って、「どうだ! スゴいだろう!」とアピールする商品がありますよね。大切なのは、みんなの口に合うかどうかなのに……。

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