なぜ沖縄の人は「レトルトカレー=元祖ボンカレー」なのか仕事をしたら“レトルトカレー”ができた(後編)(5/5 ページ)

» 2014年02月05日 08時37分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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50歳、60歳になっても

垣内: その点は気をつけなければいけません。ボンカレーはロングセラー商品なので、昔からのイメージがある。それをいい形で裏切ることができればいいのですが、ヘンな形で裏切ってしまうと、たくさんのファンを失うことになりかねません。

 また「万人に愛される」ことは難しいのですが、ボンカレーはそれを目指しています。よくターゲットはどの層ですか? と聞かれるのですが、ボンカレーについてはこの質問に答えることができません。つまり、1つの層でくくることができないんですよね。ボンカレーというブランドイメージの中で、どのようにして裏切っていけばいいのか――これが今後の課題になるのでしょう。

土肥: あと価格競争についてはいかがでしょうか?

垣内: これまでは価格一辺倒だったのですが、ここ1〜2年でようやく落ち着きがうかがえるようになりました。消費者の間で「価格だけでなく、価値があれば買う」というマインドになってきたのではないでしょうか。

土肥: レトルトカレーは長期間保存できることが強みなのですが、逆にそれが弱みになることもありますよね。例えば「70円」で売られてしまうと、そのときにガバッと買う人がいる。そういう人は、定価の値札を見ると「なーんだ、残念。次の特売日に買えばいいか」となる。難しいですよね。

垣内: レトルトカレーがペットボトルの水よりも安いなんて……おかしいですよね。

土肥: おかしい、おかしい。

垣内: メーカーの私たちができることは、ブランド全体の価値を高めなければいけません。あと消費者の味覚が多様化しているので、その流れについていかなければいけません。

土肥: グリーンカレーを中心にアジアンカレー、ルウカレーのような辛さやスパイシー感を訴求したカレーが増えてきましたよね。そうした環境の中で、歴史のあるボンカレーがどんな展開をしていくのか。50歳、60歳になっても、古臭さを感じさせないでくださいね。本日はありがとうございました。

(終わり)

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