土肥:田村さんの著書『世界を観る目 日本を見る目』(宝島社)にはこのようなことが書かれています。「これからの時代を生きるには2つの『またぎ』が必要だ。1つは、地域を『またぐ』こと。もう1つは分野を『またぐ』ことだ。 〜略〜 地域や分野を『またぐ』知識のことを欧米ではリベラルアーツと呼ぶ。 〜略〜 我々は、このリベラルアーツを身につける必要がある」――。
地域を「またぐ」とは、グローバル化のことですよね。分野を「またぐ」については、これからの時代はいっそう複雑化するので、分野の壁をまたぐ知識が不可欠になると指摘されています。このへんの話をもう少し聞かせていただけますか?
田村:先ほども申し上げましたが、世界中の競争相手に勝つためには、常に勉強しなければいけません。最初に身につけるべき教養は、オンライン、オフラインで流れる膨大な情報の中からどれが本物か、いま必要とされているのは何なのかを選り分ける力です。そのためには、歴史、科学、哲学――この3つの分野の知識を習得する必要があると思っています。
土肥:まず、なぜ歴史なのでしょうか?
田村:人間は未来を見ることができません。見ることができるのは過去。先が見えないなら、過去を振り返り、傾向をつかむことが重要になってきます
人間の本質は過去からたいして変わっていないので、似たようなことを繰り返します。これからの時代に対応するためのヒントを、歴史から読み取ることができるのではないでしょうか。
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