土肥:多くのサラリーマンは同僚と酒を飲みながら、クダを巻いています。「ウチの会社はダメだ。ウチの上司はダメ」と。でも、その話題を基点に「オレが上司だったらこうするのになあ」と語り合えばいいのかも。アルコールが入っているので、いいアイデアが浮かぶかもしれませんしね(笑)。
田村さんの「決断の訓練をしなければいけない」という話を聞いて、ある調査を思い出しました。グローバル化に対応できていると答えた人で「ビジネスで世界の企業と戦うために勉強をしている」と答えたのは74.0%。一方、対応できていない人で勉強しているのは25.4%にとどまりました。勉強している人の中には「決断の訓練」をしている人が多いかもしれませんね。
田村:もちろん国内で戦う上でも、勉強は欠かせません。ただ「世界で戦う」ということはとても厳しいことなので、ものすごく勉強しなければいけない。つまり、才能だけで勝つのは難しいということですね。常に改善して、積み重ねていくしかありません。地味な作業ですよね。例えば、大リーグのイチローは高いレベルでプレーを続けていますが、彼の身体能力だけではこれほど長く活躍することはできなかったかもしれません。私たちの知らないところで、イチローは大変なトレーニングを積んでいるのでしょう。
ある学者はこう言っていました。「1万時間かければ、その分野で活躍できる」と。1日10時間かけると、年間3650時間なので……3年で1万時間を超える。5時間だったら6年、3時間だったら10年。
土肥:そのように考えると、やはり努力が必要になってくるわけですね。努力を続けられる人とそうでない人は、どこで違ってくるのでしょうか。
田村:努力を努力と思っていない人は、ビジョンがはっきりしているのでしょう。例えば「世界で戦う」と決めたら、まず海外に行ってみる。そこで「自分は努力しなければ、世界で戦うことができない」ということを知る。そして努力することでどんな未来が待っているのか――という予想図を描くことができる。
土肥:ということは、海外を見ずにやる気がでる、ということは難しいということ?
田村:ですね。
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