Pontaカードのデータを使って、どんな商品が生まれたのか仕事をしたら“お客の顔”が見えてきた(3)(4/5 ページ)

» 2012年12月12日 07時04分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
Pontaカードのデータを分析している、マーケティングステーション 分析企画部の倉持章部長

倉持:どんな人が自社の商品を購入したのか――。メーカー側はこの情報を把握することがなかなか難しいので、カードデータの話をするとものすごく盛り上がりますね。先日も出版社の人とお話する機会があったので、月刊誌のデータを3カ月分調べてみました。雑誌名は公表できないのですが、超有名な雑誌のリピート率は13%でした。

 では女性誌はどうか。調べたところ、3カ月連続で同じ雑誌を購入している人はかなり少なかった。

土肥:付録で決めているのでは?

倉持:だと思います。出版業界もこうした情報は持っていないので、今後はデータを使って新たな市場が生まれるかもしれませんね。

土肥:成功談をたくさんお聞きしましたが、失敗したこともありますよね?

倉持:ありますよ。「この商品は絶対に売れるはず!」と思っていたのに、実際には売れなかったり。「これはいい商品だ!」と太鼓判を押していたのに、売場事情などで棚から消えてしまったり。

土肥:例えば、どの商品が売れなかったのですか?

倉持:ソースをかけて、できたて感を訴求するサンドイッチは苦戦しました。お客さまからは「こんな商品がほしかった」といった声があったのですが、現場からは「売りにくい」「高い」といった意見がありました。そこで値段を下げたところ、リピート率(1人のお客が繰り返しその商品を買う割合を示す)はそこそこ上がったのですが、お店のほうで怖さがあったのでしょうね……発注が少なくなりました。

 あとブランドロゴもサンドイッチになじまなかったので、販売することをやめました。

 失敗例はたくさんありますが、お客さまの顔が見えてきたことによって“ハズレ商品”が少なくなりました。なぜならデータを蓄積してきたから。「この層のお客さまはこうした商品を好む」といった形でデータ化されているので、そのツボを外さなければ大失敗することが少なくなりましたね。

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