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» 2012年12月12日 07時04分 UPDATE

仕事をしたら“お客の顔”が見えてきた(3):Pontaカードのデータを使って、どんな商品が生まれたのか (1/5)

Pontaカードのデータを使って、ローソンではさまざまなことを行っている。その1つが、商品開発だ。カードデータからお客の嗜好を分析して、どんな商品が誕生したのだろうか。

[土肥義則,Business Media 誠]

仕事をしたら“お客の顔”が見えてきた:

 「ビッグデータ」――。この言葉を一度は聞いたことがある人も多いだろう。膨大なデータを記録・解析して、ビジネスなどに活用するというものだ。最近では経済誌などでも「ビッグデータ」というキーワードが取り上げられつつあるが、分析できる人材が少ないこともあって、まだ成功事例は少ない。

 語れる人が少なく、語れる内容もあまりない。取材する側にとっては手足が出せない状況だったが、ある人からこんな情報をいただいた。「発売初日の数字を見ただけで、その商品がヒットするかどうかが分かるんだって」と。そんなバカな……と思ったが、よく聞いてみると、データを分析して新商品を開発したり、売上増に貢献したりしているそうだ。

 その企業名は「ローソン」。同社が扱う「Ponta(ポンタ)カード」のデータを活用して、さまざまな取り組みを行っているそうだ。早速、本社がある大崎(品川区)に足を運び、分析企画部の倉持章部長に話を聞いてきた。全3回でお送りする。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。

 →なぜ発売初日で分かるの? ヒット商品を見分けることができるワケ(1)

 →なぜコンビニは人気のない「エッグタルト」を売り続けるのか(2)

 →第3回、本記事


データを活用して、新しい市場

土肥:Pontaカードのデータを分析して、お客のことがいろいろなことが分かってきました。データをうまく活用して「焼パスタ ラザーニャ ボロネーゼ」が爆発的に売れました(関連記事)。その一方で、あまり売れていない「エッグタルト」はPOSデータだけを見ていれば、すでに店頭から消えていてもおかしくない。ただリピート率が高く、エッグタルトを買うためにお店に足を運ぶ人が少なからずいることも明らかになりました(関連記事)

 カードデータを活用して、新しい市場ができた……といった事例はありますか?

倉持:ありますね。例えば、男性はお弁当(常温)を月に5個買っていたとします。そしてチルドタイプのろーそん亭のお弁当を販売したので、上積みされるのかなあと思っていたのですが、合計は5個で変わらず、そのうちの1個がチルドでした。要するに「カニバリゼーション」(自社の商品が自社の他の商品を侵食してしまう「共食い」現象のこと)ですよね。

 一方の女性は常温を月に4個しか買っていなかったのに、ろーそん亭ができてからは常温を3個しか買わなくなりました。でもチルドを3個買ってくれるようになったので、合計は6個。当時、お弁当市場はジリ貧傾向だったので、女性の市場が伸びたことは大きかったですね。現在もお弁当市場は厳しい状態が続いているのですが、女性市場を開拓したことでなんとか横ばいを保てている状態です。

yd_lowson1.jpg 100人のお客が来店した場合の弁当購入数の変化

土肥:チルド弁当の開発の裏で、また分析チームがからんでいそうですね(笑)。

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