Pontaカードのデータを使って、どんな商品が生まれたのか仕事をしたら“お客の顔”が見えてきた(3)(3/5 ページ)

» 2012年12月12日 07時04分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

真似されない商品づくり

土肥:新商品開発の際にカードデータをうまく活用されていますが、こうした声もあると思うんですよ。「コンビニって、同じような商品を扱っているじゃないか」と。例えば、これまでにないおにぎりを販売しても、他社が同じようなモノを販売する。厳しい言い方をすれば「どこのコンビニに行っても同じようなモノが売っているので、どこでもいいや」と思っている人も少なくないでしょう。

倉持:コンビニは真似ばかり……といったご意見はごもっともだと思います。私もローソンで働く前には、同じようなことを感じていました。なので他社に真似されない商品づくりも、大切なことですね。

土肥:そんな商品ありますか?

倉持:あるんですよ。例えば、ヨード卵・光を使った商品は、他社でも一部の地域でおでんの具材として使われていましたが、ローソンでは今でも多くの商品で使われています。ヨード卵の詳しい説明は割愛させていただきますが、良質の卵として有名です。ぷっくりと盛り上がった濃い黄身としっかりとした厚い殻が特徴。ただ6個入りで350円ほどするので、消費者はなかなか手に取りにくい。

 そもそもヨード卵はどんな人たちが購入しているのか。メーカーサイドはよく分からなかった。そこでローソンがカードデータを使って調べ、お伝えしました。何歳くらいの人がヨード卵を購入されていると思いますか?

土肥:高齢者のイメージが強いですね。

倉持:おっしゃるとおりで、60歳以上の人が多い。私は知りませんでしたが、その世代の人たちにとってはコメディアンの東八郎さんのテレビCMがあったので、身近な商品なんですね。でも、このまま10年、20年経てば、ジリ貧になる可能性が高い。いい商品を若い世代が知らないのはもったいないので、メーカーと一緒に「新商品を開発しましょう」ということになりました。

 そして、冷やしめんやお弁当にヨード卵を使うことにしました。今ではバウムクーヘンやおでんなどにも使われています。またパッケージにはヨード卵を使っていることが分かるようにロゴマークも貼っているので、若い人たちの間で認知度が広まってきているのではないでしょうか。

土肥:ふむふむ。

ヨード卵をつかったおでん

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