「孤独死」の一部を「緩慢な自殺」だと考えると、日本のマスコミは間違いなくWHOのガイドラインに引っかかる。
その代表が、「無縁社会」だ。
2010年1月、NHKは「報道プロジェクト・あすの日本」のなかで北九州市で「おにぎりが食べたい」と遺書をのこして餓死をした30代の男性のケースを大きく取り上げ、「無縁社会〜無縁死3万2千人の衝撃」を放送して大きな話題を呼んだ。
NHKはその後も1年間かけて「無縁社会キャンペーン」を続けて、年末にはユーキャンの流行語大賞にまで「無縁社会」はノミネート。現在にいたる「孤独死が増えている」報道のきっかけとなった。
そんな一大ムーブメントになっていながら、「孤独死」というのは国はしっかり定義付けしておらず、厚労省も警察庁も統計をとっていない。監察医務院や自治体のデータを参考とするよりない。
例えば、鹿児島県では昨年に「孤独死」した高齢者は574人。地方では高齢化が進んでいるので増加はしていたが、県の担当者が首をかしげるような奇妙な現象が起きている。
2010年から2011年にかけて、なんと1.4倍も急増したのだ。
これはあくまで私の推測だが、この時期から鹿児島のお年寄りたちは生きる希望を失うようなものをたくさん目にしたのではないか。
そう、例えば自宅のテレビなんかで。
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