ガンダムからあの花まで――西武鉄道&アニメの地域活性化戦略(4/5 ページ)

» 2011年11月30日 08時00分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

西武鉄道をモデルにしたアニメも

小野打 地域活性化という話が出ましたが、最近は漫画やアニメに力を入れる自治体が増えていて、中でも練馬区や杉並区はアニメの地場として代表的なところだと思います。全国的には高知県が「まんが王国土佐」と言ったり、やはり鳥取県が「まんが王国とっとり」と言い出しています。そういったところも、商店街などで住民を巻き込んで行われているということでした。

 一方、自治体などがからまない、西武鉄道自身で行っている社会貢献活動にはどういったものがあるのでしょうか。

野田 西武鉄道は公共交通機関なので、次画像のようなケロロ軍曹のマナーアップポスターを展開しています。ちなみに右側は、マナーアップを目指すケロン人のスママというオリジナルキャラクターです。そのほかにも『アニッコ』第9号でタッグを組んだチェブラーシカは現在、西武グループの施設を紹介する「おでかけスマイルBOOK」のメインキャラクターとして活躍しています。

ケロロ軍曹のマナーアップポスター

 また、『クレヨンしんちゃん』を制作したシンエイ動画の最寄り駅は西武新宿線田無駅なのですが、「西武鉄道のアニメーションを一緒に作りませんか」というお声がけをいただきました。「何か面白そうだから作ってみましょうか」ということで、やすみ哲夫監督の指導のもと、『西武鉄道駅員タコちゃん』というタイトルを制作して、シンエイぷちアニ劇場という枠の中で、YouTubeとGyaOで放映しています。

西武鉄道駅員タコちゃん 第1話「ラッシュアワー」

 『西武鉄道駅員タコちゃん』は毎月1回、いろんなテーマでハチャメチャな鉄道員を描いています。鉄道は安全安心を提供しているので、私たちが実際にやっているものより少し脚色が入っている部分がありますが(笑)、面白い内容になっていますので、ぜひご覧いただければと思います。

 先ほど、小野打さんから映画のタイアップという話もありました。次画像左は今年夏に女児向けに実施した『スイートプリキュア』スタンプラリーの告知ポスターです。毎年スタンプラリーは多くのお客さまに参加していただいて、2010年はプリキュアの声優の水樹奈々さんが西武ドームで2日間のライブをされたのですが、双方とも大きなお兄ちゃんたちも含めて、たくさん参加してくださいました。

 右画像は今年6月に公開された『劇場版 戦国BASARA -The Last Party-』の記念乗車券です。こういった形で、映画とのいろんなタイアップ事業を実施しています。

映画とのタイアップ企画

小野打 イベントを行っているだけでなく、常設の施設も結構あるんですよね。

野田 池袋駅の隣に椎名町駅という駅があるのですが、そこのトキワ荘というところに漫画界の巨匠たちが住んで執筆活動をしていました。そこで現在、「トキワ荘のヒーローたち」ということで、町ぐるみでモニュメントを作ったり、スタンプラリーを実施したりしています。

 そして上井草駅からバスで行ける杉並アニメーションミュージアムでは、さまざまな展示会を行っています。また、大泉学園駅近くには東映アニメーションギャラリーもあり、西武鉄道沿線がアニメゆかりの地ということがうかがえると思います。

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