私が、テレビや新聞に“呼ばれなくなった”ワケ上杉隆×小林弘人「ここまでしゃべっていいですか」(4)(3/4 ページ)

» 2010年01月22日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 地上波テレビに関しては、局よりもプロダクションの力が強い番組には呼ばれるようですね。例えば『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)。この番組は「オフィス・トゥー・ワン」や北野武さんの「オフィス北野」の力が相対的に強い。

 11月に『報道ステーション』に出演しましたが、呼ばれた理由は鳩山由紀夫さんの偽装献金問題について。私は鳩山邦夫事務所の元公設秘書だったので、ある程度この問題については知っている。しかも私は鳩山兄弟のお母さん・安子さんとの連絡役だった。つまり、世の中でこの問題について知っている数人のうちのひとりであるために、テレビ局も仕方なく聞いてくるんでしょう。

 ただし私自身が基本的にテレビ出演は生放送以外断っています。なぜなら私のコメントしたVTRが流れたあと、コメンテ−ターや政治評論家たちがいい加減なコメントをかぶせてくるから。そうなると収録した私は反論することができない。取材をしている人に反論されるのであれば納得できるのですが、取材もしないデタラメな出演者に言われると頭にくる。だから2年ほど前から、基本的に生放送以外の出演は断っています。

 また報道ステーション側から「生放送は無理です」といった返答がありました。別にこっちから「出たい」とはひとことも言っていないので困ることもない。そうするとさらにもう1つの条件を提示してきました。それは私がコメントしたあとに「そのままCMに入る」というもの。そういえば、ある通信社の解説委員はこのように言っています。「上杉だけは生放送で使うな」と。

(出典:テレビ朝日公式Webサイト)

 なぜこうしたメディア界の大御所たちがそのようなことを言うかというと、彼らの仕事というのは記者クラブにぶらさがっていて、自分の元部下から情報をもらっている人が多いから。彼らはその情報を元に分析しコメントをしている。だから、記者クラブが開放されれば情報の価値が低下してしまう。つまりこれまでのように記者クラブでの情報だけではメシが食っていけず、自分自身が取材をしなければならなくなるのだ。

 それは、彼らにとって自分たちのビジネスモデルが崩壊することにつながる。よって「上杉は使うな」という論理になる。今回は社名は明かしませんが、あるテレビ局は「上杉だけは出すな!」といった内容を、一部の番組スタッフにメールで流しています。ここの局も私が記者クラブ批判をしたころから、出演依頼がなくなりました。

小林 それはヒドイですね。

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