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» 2009年12月01日 08時00分 UPDATE

北京大副学長が語る、中国発展4つのポイント (2/5)

[堀内彰宏,Business Media 誠]

制度の変化

 中国経済を成長させる上で重要だったポイントの1つ目は「制度の変化」です。

 みなさんは「Made in China」という言葉を聞いたことがあると思います。この30年間、中国経済の成長にともなって、中国製品の競争力は世界中で高まっています。

 「中国製品に競争力があるのは、人件費が世界的に見ても際立って安いからだ」とよく言われます。中国の人件費が比較的低いのは事実です。米国労働統計局が2002年に行った調査によると、中国の製造業の平均時給は0.57ドルです。これは平均時給21.4ドルである米国のわずか3%です。またメキシコ、ブラジルの25%で、韓国やシンガポールの10%、日本や欧州の3%です。

 人件費の安さは中国経済の成長の源泉であり、国際競争力の最大の武器であると言われていますが、これが欧米や日本などの企業が危機感を持っている中国価格(超低価格)の根本的な要因となっています。

 しかし、世界的に見ると、中国より安い人件費の国や地域がまだたくさん存在しています。そうした国や地域は、なぜ中国のような競争力を発揮していないのでしょうか? また中国でも、1978年以前の人件費は今よりもっと安かったわけです。それなのにその時なぜ中国経済はそれほど成長していなかったのでしょうか? 単に安い人件費ということだけでは、中国の競争力は説明できません。生産の仕組みを変えたり、体制を変えたりしてきたことで、安い人件費の強みを生かせるようになったのです。

 例えば、公有制を主としながらですが、人民公社や公有企業の改革、市場経済の育成や外資の受け入れなどをしていきました。これによって人々が自由に仕事を探すことができるようになり、個人で民間企業を作って仕事を受けることも可能になりました。

 1978年のGNP(国民総生産)を見ると、公有制経済によるものが99%で、非公有制経済によるものはわずか1%でした。しかし、2008年のGDPを見ると、非公有制経済の比率は65%まで上がりました。同時に非公有制経済は雇用全体の75%をまかない、税収の40%を提供しています。

 また、外資に関するさまざまな法律を整備し、外国の知識や資金、技術なども受け入れるようにしたことで、中国の安い人件費の強みがさらに生かされるようになりました。

 1978年の改革開放以前にも私たちに競争力があることは感じていたのですが、当時の制度が完全なものではなかったので、その強みを十分に発揮することはできませんでした。将来、中国の人件費も高くなると予測されていますが、制度改革を引き続き推進していくことで、経済成長を維持していきたいと考えています。

 最近、私は中国の青海省というところに行きました。太陽光発電や風力発電などの施設をたくさん持っているのですが、あまり有効に利用されておらず、青海省のような内陸地域の経済はそれほど発展していません。(そうした格差を是正するために)中央と地方のバランスをとっていくことも重要だと思っています。

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