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» 2009年02月26日 16時26分 UPDATE

145億円で「一緒に元気になろーソン」――ローソンのam/pm買収会見を(ほぼ)完全収録 (1/4)

ローソンは2月25日、エーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm)を買収すると発表した。資金難に苦しむam/pmと、東京に足場を築きたいローソンの思惑が一致した形だ。ローソンの新浪剛史社長やam/pmの相澤利彦社長らが参加した会見の様子をお伝えする。

[堀内彰宏,Business Media 誠]

 ローソンは2月25日、エーエム・ピーエム・ジャパン(以下、am/pm)を買収すると発表した。買収額は145億円。ローソンはam/pm親会社のレックス・ホールディングスから全株式を買い取り、3月〜4月をめどにam/pmを合併する見通し。

 債務超過に苦しむam/pmだが、2008年は6億円の営業黒字を出すなど経営再建は順調に進んでいた。しかし、縮小するコンビニ業界の将来を見据えて、ローソンの傘下に入る決断に至った。

 ローソンの新浪剛史社長、矢作祥之常務、am/pmの相澤利彦社長、吉本清志常務が参加した会見の様子をお伝えしよう。

ah_kaiken.jpg 左からローソンの矢作祥之常務、新浪剛史社長、am/pmの相澤利彦社長、吉本清志常務

低コストで東京進出できる

ah_niinami.jpg ローソンの新浪剛史社長

新浪 私どもは大阪出身の企業でして、1番人口流入がある東京23区では店舗が大変少なかった。そこでナチュラルローソンを出店したり、(SHOP99を展開する)九九プラス(参照リンク)さんを買収させていただいて東京の店舗数を増やす、また新鮮組(新鮮組)さんを私どもの営業の中に入っていただく、こういうことで私どもが弱い、そして最大マーケットである東京を何とかしたいと従来から考えてきました。

 そんな中、本件のお話をいただきました。本件は私どものみならず、レックスさんはいろんなところにお声をかけられていたと考えていますが、優先交渉権が存在しない中、長い間、私どもは交渉をさせていただいておりました。本日基本合意に至ったわけですが、まず私どもは(am/pmの株式を)100%買わせていただくということで、近々最終合意を行う予定です。

 am/pmさんは今日お見えになっている相澤さんを中心に、大きく不採算店のクロージング(閉鎖)をしておられます。200店(のクロージング)をやられて、そして人件費、販管費の削減などを行われて、(2008年)12月末の決算では6億円の営業利益が出ている会社です。

 私どもは半年以上にわたって、デューデリジェンスをやらせていただきました。私どもはリターンのある案件をやるという考え方で、近々には九九(プラス)さんをやらせていただいたわけですが、十分リターンが上がる(案件だということで)、長きにわたり交渉を重ねてまいりました。

 私どもは(リターンが上がることに)疑念なく、am/pmジャパンさんを傘下におさめるべく、今日この日に至ったわけですが、私どもは現在のお店、現在のオーナーさんたちにより(多くの)収益をもたらすことができると確信しております。現在の(am/pmの)オーナーさんは縮小均衡という状況にありますが、例えば粗利も私どもの方が効率よくやらせていただいているので、改善効果が見込めると考えています。

 私どもにとって大変重要なのは、資金ニーズが大変少なく済んだことです。1店舗あたり(の出店費用が)現在大体6000万円ぐらいかかります。6000万円ぐらいかかるものを、大体2000万円くらいで入手できるということで、資金効率も大変いいという状況です。(東京進出は)自分でやっていたら、6〜7年は少なくともかかるマーケットです。一方でコンビニは、いわゆる飽和状態が続いております。まだマーケットの成長性があるという意味で、東京は大変有効なマーケットですが、6〜7年かけて私どもが(コンビニ網を)築き上げていくのは大変至難でして、またこれだけのことをやるには随分失敗もして店舗を開発していくことになるのではないかと(危惧していました)。店舗開発、そして資金の効率化というためにも本件は大変(好都合)、リターンも大変上がる、そういったことでやっていこうと決めました。

 また、相澤さんを始めとした経営陣の方々とは都度コミュニケーションさせていただいて、知らぬ仲ではない中で、今回のディールに至っています。「突如のように現れて、買いますよ」というわけではまったくございません。

 (東京進出の期間を)短縮できるとともに、東京のマーケットにおいて私どもは、都心23区で大変なシェアになる、そして7区であれば圧倒的に強いドミナンスを確立するできることになります。そして私どものオーナーさん、そしてam/pmのオーナーさんたちに、より良い商品(を提供できますし)、チルド(冷蔵食品)も今より圧倒的に効率よく(提供)できます。

ah_23ku.jpg 東京23区でナンバー1コンビニチェーンに(出典:ローソン)

 また私どもの商品開発、am/pmさんがお持ちになっている商品開発、この相乗効果もあると思っています。一部分ではナチュラルローソンの商品を置くとか、ナチュラルローソンをやりたいというオーナーさんがおられたら、そういったこと(をすること)も視野に入るのではないかと考えています。

 マーケットシェアとともに、私どもはいろんな業態を持っているということも今回の買収では大変重要な要素でした。ローソンのみならずナチュラルローソン、そしてローソンストア100(参照リンク)、そして今回am/pmさんがマルチブランドということになってまいります。マルチブランドの経営は私ども大変得意としております。そして九州や大阪、ここにはエリアフランチャイズ※の方々もおられます。

※エリアフランチャイズ……フランチャイズを展開する企業が、ほかの事業主にフランチャイズ権をライセンスしたもの。フランチャイズ権を受託した企業は、本部に代わって加盟店の開発や運営を行うが、商品、サービス、システム、ノウハウといった企画の開発は、基本的に本部で行う。

 我々はもともとこういった(マルチブランドの)ノウハウを確立しています。エリアフランチャイズに関しては、例えば私どもは九州の南は大変弱い状況です。(am/pmの買収で)補完をすることもできる、また私どもが持っているベンダーをより活用いただける、こんなことで大阪、当然のことながら九州もより拡大できる、このように考えております。また、鉄道系にも大変お強いということで、これらの法人顧客の方々にもより積極的に攻めることができると考えている次第です。

 私どもは過去に買収や、営業権を買うことを重ねています。近々では新鮮組さん、そして九九プラスさん。買収やアライアンス、こういったことで成長した企業です。(こうした買収を通じて)人材も育っており、今後同じ屋根の下にam/pmさんも入られるわけです。私ども例えば関東の支社長はサンチェーン出身です。九州の支社長はダイエー出身です。支社長というのはカンパニーでございまして、ローソン出身者もいます。過去このような買収や合併によって、良い人材はどんどん登用されています。私どもはこういったことがノウハウとしてあるとご理解いただきたいと思います。am/pmさんの人材も、今回の買収によって活躍の場をより得ていただけると、確信している次第です。

ah_rosogape.jpg ローソン事業拡大の歴史(出典:ローソン)
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