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アリス、最後の闘いを追跡!
シリーズ3作目の見どころ

 闘うヒロイン、アリスが3年ぶりに帰ってきた!映画「バイオハザード」シリーズは、ご存じのとおりゲームから誕生したホラーアクションムービーである。ゲームを原作にした映画はこれまでヒットに恵まれていなかった。そんな中で「バイオハザード」が成功したのは、ゾンビ・ホラーの要素とヒロイン・アクションの組み合わせの妙があったからであろう。

バイオハザード01

 さて、シリーズ3作目は、T-ウイルスによる汚染がまん延し、地上はアンデッドで埋め尽くされ、砂漠と化した終末世界。生存者はわずか。そんな中、アンブレラ社は、アリスの血液の抗体でT-ウイルスを無力化する血清を作ろうと、アリスのクローンによる人体実験を繰り返していた。一方、単独で砂漠を放浪していたアリスは、ある日、ガソリンスタンドで1冊のノートを発見する。そこには、アラスカは唯一ウイルスに汚染されていない地であると記されていた。やがてクレア率いるキャラバン隊に合流し、彼らを守りながらアラスカを目指す。だが、アンブレラ社の追跡網にひっかかってしまい……。

 見どころだが、まずはオープニングがうまい。全裸のままバスルームで意識を取り戻し、赤いドレスに身を包み洋館をさまよい歩くアリス。1作目のシーンが紛れ込んだのでは?と思わせる演出は、まさに技あり。その後すぐにアリスのクローンであることが判明する。

バイオハザード02

 そして今回、必見なのがアリスの覚醒――その強大化したパワーだ。2丁拳銃を華麗に操り、ハイキックでアンデッドに蹴りをお見舞いしたかと思えば、ネパールのグルカ族に伝わる短剣ククリで瞬時に首をバッサリ。前作のラストで身につけたテレキネシス(念動力)も本格化し、炎を拡大させ、人工衛星の回路を破壊するなど、そのパワーははかりしれない。ダイナミックなアクション・シーンの連続に興奮は必至だ。

 もちろん敵も一筋縄ではいかない。“アリス計画”の責任者であるアイザックス博士によりクローン・アリスの血清を注入され、戦闘能力が格段にアップしたスーパー・アンデッドや、ゾンビ化したカラスの大群、そしてゲームの人気キャラである怪物タイラント。とりわけ、見た目に気持ち悪いドロドロのタイラントは触手を伸ばし、遠くにいる人間を倒すことが可能、治癒能力にも優れ、アリスと同様にテレキネシスを持つという無敵っぷり。果たしてこのモンスターの正体は……?

 ゲーム版「バイオハザード2」「バイオハザード CODE:Veronica」の主人公クレア・レッドフィールドや、黒幕的存在のウェスカー議長の登場もゲーム・ユーザーにとってはうれしいところだ。

バイオハザード03
どうせならシリーズの“イッキ見”を
Blu-ray Discで“イッキ見”

Blu-ray(Blu-ray Disc)は「バイオハザード」「バイオハザードII アポカリプス」「バイオハザードIII」のシリーズ3作をセットにした「トリロジーBOX」のみの発売。

第1作はHD DVDで発売されていたが、Blu-ray化は今回が初めて。特典はキャストと製作スタッフによる音声解説、監督と見るもう1つのエンディング、予告編、メイキング・ドキュメンタリー集、ミュージック・ビデオを収録。

第2作は既発売のDVDやBlu-rayよりも4分長いエクステンデッド・カット版本編を収録。特典はメイキング・ドキュメンタリー集、悪のアーカイブ、2作目の分析、劇場公開時未公開シーン集、予告編集、「バイオハザード」の進化:第3弾への道のりなど。

第3作の特典はラッセル・マルケイ監督とポール・W・S・アンダーソンとジェレミー・ボルト(製作)による音声解説、未公開シーン集、ラクーンシティの果て:「バイオハザードIII」の検証、予告編集、「BIOHAZARD:Degeneration」先取り映像、ピクチャー・イン・ピクチャーで見る撮影の舞台裏を収録。特典もHD収録で、舞台裏を臨場感たっぷりに楽しめる。

 「ブルーレイディスク バイオハザード トリロジーBOX」1万2800円
DVDで“イッキ見”

DVDは2種類。「デラックス・コレクターズ・エディション」の特典はラッセル・マルケイ監督とポール・W・S・アンダーソンとジェレミー・ボルト(製作)による音声解説、未公開シーン集、ラクーンシティの果て:「バイオハザードIII」の検証、「BIOHAZARD:Degeneration」先取り映像、プレーヤー:「バイオハザードIII」のキャスト、ロードマップ:「バイオハザード」シリーズの未来図、オリジナル劇場予告編集を収録。

「トリロジーBOX」はシリーズ3作の本編ディスクのみを収録。3作とも音声解説は付くが、メイキングなどの映像特典が収録されているのは1作目だけ。

(左)「デラックス・コレクターズ・エディション」(2枚組)4179円(右)「DVDバイオハザード トリロジーBOX」(3枚組/期間限定出荷)5980円

発売・販売:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
『バイオハザード』提供:ショウゲート

時間がない人のために、前2作をプレイバック
(C)2002 CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH/NEW LEGACY FILM LTD 第1作――「バイオハザード」

アンブレラ社の研究施設で、開発中の細菌ウイルスが漏えい。数日後、特殊部隊は記憶を失った女性アリスと共に研究室内部に潜入するが、ウイルスによってアンデッド化した人々が襲いかかってくる。見せ場はアンデッド化したドーベルマンのケルベロスと、“なめる者”という名の通り長い舌を持つ怪物リッカーとの死闘。監督は「イベント・ホライゾン」「エイリアンVS.プレデター」のポール・W・S・アンダーソン。アリスは映画オリジナルのキャラクターだが、アンデッドの誕生を描くなど、ゲーム・ユーザーのツボを押さえた展開は、ゲーム版の大ファンだったというアンダーソン監督ならでは。

(C) 2003 Davies Films/ Impact (Canada) Inc./ Constantin Film (UK) Limited. All Rights Reserved. 第2作――「バイオハザードII アポカリプス」

研究所に囚われていたアリスが目を覚まし、外に出ると、ラクーンシティ全体にウイルスが広がり、廃墟と化していた。核爆弾投下指令が出され、街は消滅の危機に陥る。アリスと生存者たちは街から決死の脱出を図るが……。アンデッドの数は増殖し、人間とウイルスの融合体であるバイオ兵器ネメシスが姿を現す。T-ウイルスを注入されたアリスは前作から進化、アンデッド相手に肉弾戦や、高層ビルの壁面疾走など、人間技を越えたアクションを見せる。ゲーム版「バイオハザード3」の主人公であるジル・バレンタインとアリスの共演がゲームファンの“萌え”ポイント。

取材・文/本山由樹子