感情をコントロールするには、どうすればいいのかボクの不安が「働く力」に変わるとき(3/4 ページ)

» 2012年11月21日 09時00分 公開
[竹内義晴,Business Media 誠]

ステップ1:起こっている自分の感情に気づく

 ステップ1は「起こっている自分の感情に気づく」。

 感情をコントロールするためには、ご自身の中にさまざまな感情が湧いていることに気づき、出来事と感情を分けられる必要があります。

 「感情に気づく」といっても、感情は突然発火するので意識してもなかなか気づけないかもしれません。そこで怒りの感情が湧いたときだけではなく、日常から自分が感じているちょっとした気持ちや感情の動きに興味を持つようにするといいでしょう。

 例えば、政治家が喧喧諤諤(けんけんがくがく)とやりあっているテレビを見ているときに「それは違うだろう」と思ったり、違和感を抱いたり、「自分なら○○にするな」と思うことはよくあることです。このような機会にご自身が抱いている感情に興味を持ってみてください。次第に「あっ、今、イラッとしているな」ということが自分で分かる感覚が出てきます。

 この感覚が出てくるとご自身の感情を冷静にみられるようになってきます。

ステップ2:自分の感情にOKを出す

 ステップ2は「自分の感情にOKを出す」。

 感情は、自分の意思とは関係なく自然に出てくるものなので、なかなかコントロールがしづらいものです。それを無理に抑え込むのはさらに難しい。

 そこで「感情が出てくるのは仕方のないことだ。OK」「感情は出てきてもいいものだ。OK」「感情が出てくるのは、何らかの理想や期待があるからだ。OK」などのように、感情が出てしまうことに許可を与えてあげるのです。やることは簡単。心の中でOKと思う、唱えるだけ。OKを出すと、怒りの感情がゼロになるわけではありませんが、スーッと静まっていきます。

 感情をコントロールしたいのに、感情が出ることにOKを出すというのは、何か矛盾しているように感じるかもしれません。駄々をこねて泣きじゃくる子どもは「泣いちゃだめだ」と抑えつけると気持ちが分かってもらえないために余計に大きな声で泣きますが、「泣きたいことがあったんだね。よしよし」と、泣きたい気持ちを受け入れてあげるとおとなしくなります。このように「イライラしている怒りの感情を分かってあげる」という感覚です。

ステップ3:目の前の出来事に反応する理由を考える

 ステップ3は「目の前の出来事に反応する理由を考える」。

 怒りの感情が生まれるということは「○○したい」「○○すべき」「○○でなければならない」というような、私たちの中に何かしらの期待があることを意味しています。

 そこで「私の中の何が、この感情を抱かせるんだろう?」と考えてみます。

例えば、先ほどの政治家が出ているテレビで「それは違うだろう」と思ったとき「私の中の何が違うと思わせるんだろう?」「この怒りの背景にあるものは何だろう?」と考えてみるのです。

 自分の中にある考えや価値観が見聞きした情報よりも前向きであることに気がつき、「そうだよな、やっぱり自分の考えの方が大切だよな」と思えれば怒りは次第に静まります。

 時には「絶対に○○すべきだ」などと、ある考えに変に固執していることに気づくこともありますし、確かに怒りの感情は抱いているものの、「何に怒っているのか分からない」こともあります。そんなときは「まあ、いいか。そんなに意固地にならなくても」と思えてきます。

 また「私は○○がいいと思っているけど、周りの人はなぜ○○がいいと思っているんだろう?」などのように、自分の考えを客観的に振り返る機会にもなります。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ