「感情をコントロールする」という言葉のイメージとして、出てきた怒りの感情を「ぐっと飲み込む」「抑える」と捉えている方も多いです。素直な感情をストレートに出すと、周りの人から批判されそう。だからといって、怒りの感情をずっと持ち続けているのはあまりいい気分じゃない。仕方がないので、怒りの感情を「ぐっと飲み込む」「抑える」……つまり「出ないようにする」ことでコントロールしようとする人もたくさんいます。
しかし、気をつけてほしいことがあります。それは「感情を飲み込み過ぎると、ストレスのはけ口がなくなり、感情コントロールがうまくできなくなってしまう」ことです。
例えば、以前相談を受けた方は、仕事の中で起こる怒りの感情を自分の中だけで処理しようとした結果、メンタル的なダメージを受けて休職に追い込まれてしまいました。しかも抑え込むことが習慣化してしまい、「感じる」ことに鈍感になってしまっていました。「そんなことがあったんですか。大変でしたね。そのとき、○○さんはどう感じたんですか? 何が嫌だったんですか?」と尋ねると、起こった出来事を説明してくれるものの、「嫌だった」「ムカついた」などの怒りの言葉がなかなか出てこないのです。
「抑え込む」感情コントロールはこのような弊害を起こすことがあるので注意が必要です。怒りや不安、焦りの感情は、私たちをさまざまな危険から守ってくれます。決して悪いものではないのです。
感情をコントロールできない方は、目の前の出来事にすぐに感情が反応してしまい、そのまま大きな声を出す、叱るなどの行動につながってしまいます。つまり「出来事」→「感情」→「行動」が一瞬で起こってしまうのです。そこで感情をコントロールするためには「出来事」「感情」「行動」が分けられる必要があります。
それでは“大人のビジネスパーソン”の感情コントロールについてご紹介しましょう。
そのステップとは、以下の4つです。
(1)起こっている自分の感情に気づく
(2)自分の感情にOKを出す
(3)何が、自分にこの感情を出させているのかを考える
(4)行動を選ぶ
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