馬鹿にされることを恐れるな――あなたの質問が“みんな”を救うあなたの不安、見積もります

「こんな質問をしたら、講師や周囲の人に馬鹿だと思われるんじゃないか……?」セミナーなどに参加して、そんな不安に襲われたことがある人は多くいると思います。

» 2009年09月10日 09時17分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 人に尋ねるということは、人を不安にするところがあります。何かを尋ねて怒られことがあるという人は特にそうでしょう。ここにはどんな問題があるのかを考え直してみます。

ビジネスパーソンの不安ポイント

 人に何かを聞くと、自分が馬鹿だと思われないか不安です。セミナーなどでも「こんな馬鹿な質問をしてしまって、講師やオーディエンスの人たちを怒らせるのでは?」と思ってしまって、なかなか発言できません。


 このお悩みはよく分かります。というのも、私自身セミナー講師を務めていて、「最初の質問が出るまで」にかかる時間が「その後に質問が続くまで」の時間と比べても平均的に長いことを知っているからです。

 もちろんその場合には、講師である私にどう思われるかという不安もさることながら、後ろや横の人たちにどう思われるかという不安が大きいのでしょう。聴衆が多数になれば、ますますその不安は募ります。人に何かをたずねるということは、状況次第、聴衆次第、場の空気次第で不安を増大させるところがあります。

 私はこういう方に対して、いささか高度ではありますが少々次のようなことを言っています。

 馬鹿な質問をしてくれた人がいると、後から質問する人は安心して発言できるし、講師も助けられる。つまり、馬鹿な質問をできる人というのは一種のヒーロー、ヒロインなのです。

 これは自分でもほいほいと実行できているとは言えませんが、それでもセミナーのオーディエンスの時には、なるべく凡庸で、ありきたりで、即座に思いついたことを、積極的に問うように心がけています。確かにそうすることで自分が馬鹿だと思われているとも感じますし、自尊心が傷つくということもありますが、自分が講師を務めているときのことを思うと、質問がぱっと出た方が救われるのです。

 それに、これなら質問内容で悩まずに済むというメリットもあります。たいしたことを考えつく必要がないし、馬鹿だと思われることが一種の目的なのだから、努力は要りません。馬鹿だと思われなければ、それはそれで儲けものです。

セミナーのご案内

 9月17日(木)に「マインド×メンタルハック・スペシャルセミナー@大手町」を開催いたします。

 今回は「マインドハック」×「メンタルハック」の総集編的なスペシャルセミナーということで、

  • ライフハックの心理学【集中・ストレス・記憶・モチベーション】
  • 「減らす技術」の実践ワーク
  • 佐々木の今後の活動の予告編【人間関係・デザイン・発想法を中心に】

 などなど、以前お話ししたことのまとめから、今回改めて盛り込むことまで、盛りだくさんの120分を一気に進めていきたいと思います。 詳細は以下のURLからご確認ください。


主催:佐々木正悟(協力 アイティメディア)
日程:9月17日(木) 20:00-22:00
場所:千代田区大手町1-3-1 JAビル7F(地図・アクセス
定員:30名(先着順)
費用:1万円(税込)

お申し込みはこちらからどうぞ。お間違いのないようご記入くださいますよう、お願いいたします。

筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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