企画当初はノリノリだったのに、いろいろな事情からできなくなって、企画倒れに――ということはよくあることです。ではどうやって、こうしたプランを管理していけばいいでしょうか。
全てのToDoの処理時間を見積もって、「Toodledo」などに一元化している佐々木さんに質問です。やろうと思ってやれずにいることなどは全然ないのですか?
やろうと思ったことは全てやっている――そんな人はいないでしょう(笑)。そもそも、企画当初はノリノリだったのに、いろいろな事情から出版できなくなって、企画だけで終わってしまった書きかけの書籍原稿が結構あります。自分がやりたいと思ったからといって、最後までやれるわけではないのです。それはどの業種でも同じでしょう。
ただ、上記のような夢ばかりふくらんだ企画を、Toodledoに放置しておいたりはしません。それではタスク管理ツールとしてのToodledoがノイズだらけになって機能しなくなります。
手がけられるかどうかが不明な段階において、わたしはプロジェクトを「OmniFocus」というソフトで管理しています。これはMac OS限定ですが、iPhoneでも利用できます。
もともとOmniFocusはGTDを実践するためのソフト。あらゆる事態に可能な限り対応するGTDのためのソフトだけに、多様な切り口から管理できます。わたしはこのソフトの多機能性を利用して、なかなか手がつけられないプロジェクトの計画を充実させていくのです。
例えば、コンテクストという機能を使って「誰が」「どんな段階で」「どのように」企画を進めるかを細かく詰めていきます。参照資料も可能な限りOmniFocusに集めていきます。ちょっとでも企画に盛り込みたいネタは、どんどんOmniFocusの該当プロジェクトに収集します。
すると、具体的に手順がどんどん固まっていく企画と、さっぱり進まない企画とに分かれていくから不思議です。前者はその後Toodledoなどにアクションとして落とし込んで行くことになり、後者は流れて去っていきます。このように進行させるプロジェクトとそうでないプロジェクトとに分け、進行させるプロジェクトのタスクだけを、Toodledoに入れて管理しているのです。
6月10日(木)、呉服橋(大手町)、パソナテック本社にて「マインドハック研究会 ライフハック編」を開催します。テーマは、「先送り対策としてのタスクリスト」です。
5月に開催したイベントと同じ内容です!(早々に満員御礼になりまして、リクエストを頂いた再度実施します。せっかくなので内容も若干バージョンアップさせます!!)
心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。
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