マツダ「アテンザ」に乗って鹿児島1泊2日の旅試乗インプレッション(3/3 ページ)

» 2013年08月19日 15時00分 公開
[吉村哲樹,Business Media 誠]
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走りの楽しさでは2.5リッターガソリンエンジンがベスト?

アテンザ アテンザ 25S L Package

 さて2日目の試乗は、前日に雨と濃霧で写真撮影がはかどらなかった分を取り返すために早起きし、朝6時に宿を出発した。天候は薄曇だが、予報によれば日が昇るにつれて徐々に晴れてくるとのこと。目指すは初日の出発地点と同じ、鹿児島空港近くのホテル。その間、なるべく多くの撮影スポットに立ち寄ることにした。

 ちなみに2日目に試乗したのは、セダンボディに2.5リッターガソリンエンジンを搭載した「25S L Package」。初日に試乗した2リッターガソリンモデルとも、またディーゼルモデルとも異なる乗り味を見せてくれた。この2.5リッターエンジン、今回のアテンザのフルモデルチェンジに合わせて新たに開発されたエンジンだそうだが、2リッターエンジンと比べると500ccの排気量アップの差は明らかでトルク感がアップしている。

 また、そのトルク特性は、ディーゼルエンジンのそれとも明らかに異なる。どこから踏んでも同じようにトルクが出てくるディーゼルエンジンのフラットなトルク特性とは異なり、踏んでいけばいくほどじわじわトルクが盛り上がってくる、いかにもNAガソリンエンジンらしい自然なトルク感だ。

 ディーゼルエンジンのような、フロントヘビーな感じがしないのもいい。事実、ドライ路面となった指宿スカイラインでは、ディーゼルエンジンモデルよりも軽快な身のこなしを見せてくれた。これはあくまでも個人的な感想だが、アテンザのボディサイズや重量バランスを考えれば、あくまで走行性能だけに限っていえば、この2.5リッターガソリンエンジンがベストバランスなのではないだろうか。

 さて、最初に立ち寄った撮影スポットは、指宿から1時間ほど走ったところにある「知覧武家屋敷」(南九州市知覧町)。薩摩の武家屋敷の名残を残した街並みが観光名所となっており、1軒1軒の屋敷を囲む石垣と生垣の間を、細い道が縫って走る。この中に果敢にも大柄ボディのアテンザで入ってみたのだが、ここで威力を発揮したのが先にも書いた、車幅感覚のつかみやすさだった。細く曲がりくねった道でも、「擦ってはしまいか?」という怖さを一切感じない。

アテンザ
アテンザアテンザ 知覧武家屋敷付近は日中、車両通行止めになる

 次に向かったのが、鹿児島港だ。鹿児島に来たからには、何としても桜島をバックにした写真が欲しい。というわけで、鹿児島港から桜島へ向かうフェリー乗り場であれば、大迫力のショットが撮れるのではないかと目論んだのだが……うーん、ちょっと微妙。なかなか頂上付近の雲が晴れず、稜線しか写真に収めることができなかった。

 それではと、桜島の北側、鹿児島湾の一番奥に位置する霧島市隼人町のホームセンター「A-Zはやと」の駐車場へと一気に場所を移して、桜島と椰子の木をバックに撮影を試みたのだが……やはり待てど暮らせど、雲が晴れてくれない。うーん、残念! ただ、試乗したモデルのボディーカラー「ソウルレッドプレミアムメタリック」は、南国の雰囲気の中では実によく映える。たまたま通りがかった地元の方が、わざわざ「きれいな色の車ですね」と声を掛けてきたぐらいだ。

アテンザアテンザ フェリー乗り場付近(左)からも、ホームセンター「A-Zはやと」の駐車場(右)からも、ついに桜島は姿を見せてはくれなかった
アテンザ 鹿児島といえば西郷どん

 とはいえ、このままでは「鹿児島らしい」ショットは撮れずじまいで東京に帰るはめになってしまう。何とかせねば……と思っていたときに、たまたま空港付近で見つけたのが、巨大な西郷隆盛像! 西郷さんの銅像をバックにしたアテンザ、皆さんの目には果たしてどう映るだろうか?

 ちなみに、帰りの飛行機が離陸する直前になって、ようやく天気は快晴に。「今さら晴れてくれても!」と機内で悔しがることになったのだが、よくよく思い返してみると、筆者がこれまでマツダの車を試乗した日は、決まって雨だったような気が……もしまたマツダ車を試乗する機会があれば、そのときこそは「雨男」の称号を返上したいものだ。

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