マツダ「アテンザ」に乗って鹿児島1泊2日の旅試乗インプレッション(1/3 ページ)

» 2013年08月19日 15時00分 公開
[吉村哲樹,Business Media 誠]

 2012年11月にフルモデルチェンジを果たしたマツダのフラッグシップモデル「アテンザ」。クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」の搭載に大胆なエクステリアデザインと話題に事欠かないモデルだけあり、筆者も以前から興味津々だったのだが、鹿児島で試乗する機会を得た。ここぞとばかりに思う存分乗り回してみたので、その乗り味をリポートしてみたいと思う。

アテンザ マツダ「アテンザ」

 鹿児島空港に降り立つと、天気はあいにくの雨。空港近くのホテルで早速試乗車に乗り込み、目指すは薩摩半島の南端、今晩の宿泊先である指宿温泉だ。ちなみに鹿児島とマツダは、戦前にまでさかのぼる古い縁で結ばれているという。何でも3輪トラック(!)で鹿児島‐東京間を走破するという、当時としては大胆なキャラバンキャンペーンを行ったのがきっかけだとか。

 今回、鹿児島の地で設定された試乗ルートは、一般道あり、高速道路あり、ワインディングありと、アテンザのポテンシャルを試すには絶好のステージだ。あいにくの雨とはいえ、かなり走りを楽しめそうだと意気込んで出発した。

ルックスの良さに一目ぼれしてしまったワゴンモデル

 最初に試乗したのは、ワゴンタイプのボディに2リッターガソリンエンジンを搭載した「20S」。このワゴンモデル、とにかく見た目がかっこいい。アテンザというと特徴的なフロント周りのデザインが強く印象に残っていたのだが、ワゴンモデルに関していえば真横から見たときのフォルムが何ともいい。

アテンザワゴンアテンザワゴン

 エクステリアから受けるインパクトと比べると、インテリアは少し地味な印象。ただシートには、好印象を受けた。筆者の体格と相性がいいのだろうか、座り心地がとてもいい。今回の試乗は2日間でかなりの距離を走ったのだが、シートに起因するような疲れは一切なかった。着座位置も低すぎず高すぎず、とても自然な感じだ。

 まずは、霧島山をぐるっと1周、市街地と山道を走る。走り始めてすぐ気付いたのだが、車幅感覚がとてもつかみやすい。スペック上では全幅1840ミリと、かなり幅広な車体のはずなのだが、それを必要以上に意識せずに走れる。筆者は普段コンパクトカーに乗っているので、こういう車幅のある車に乗るときにはかなり気を遣ってしまうのだが、アテンザに関しては不安感が一切ない。

 「この感覚は、一体何だろう?」と不思議に思いマツダのエンジニアにたずねてみたところ、ドライバーが前方視界をなるべく広く感じられるよう、Aピラーの形状に工夫を凝らしているとのこと。なるほど。

 もう1つ印象に強く残ったのが、ワインディングでの軽快な身のこなし。大柄なボディに似合わず、ステアリング操作に車が即座に反応して、オンザレール感覚でコーナーをひらひらと抜けていく。霧島温泉付近の道路は幅が狭めで、かつ急なカーブが連続しているのだが、車幅感覚がつかみやすいことも相まってか、何のストレスもなく運転できた。

 ちなみに動力性能に関しては、「ちょうど過不足ない程度」といったところ。とりたててパワー感を感じるわけではないが、踏めば踏んだだけ素直に加速してくれる。ただ、一気に追い越しをかけるときや、上り坂で加速したいときなどには、「もう少しトルクがあればなあ」と感じる場面があったのも事実だ。

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