マツダ「アテンザ」に乗って鹿児島1泊2日の旅試乗インプレッション(2/3 ページ)

» 2013年08月19日 15時00分 公開
[吉村哲樹,Business Media 誠]

ディーゼルエンジンモデルはまさに「トルクの塊」

 ワゴンモデルで霧島山の周りをぐるりと1周した後は、今度は九州自動車道と指宿スカイラインを通って薩摩半島の東側を一気に南下し、半島南端の指宿を目指すコースに入る。その前に、サービスエリアで2.2リッターディーゼルエンジンを搭載するセダンモデルに乗り換えた。

アテンザ

 走り始めてすぐに、2リッターガソリンエンジンとの違いがはっきりと感じ取れる。とにかくトルク感がまったく違う。どの回転域からでも、アクセルを踏めば即座にトルクがモリモリと湧いて出てくるような感じだ。これなら、動力性能にはまったく不満はない。不満どころか、お行儀のいい走りでは、まだまだかなりのマージンがあるように感じられる。

 「いっちょ飛ばしてみるか!」といきたいところだったのだが……ちょうどこのころから、降り続いていた雨の勢いが一段と増してきて豪雨状態に。慎重な運転を強いられることになってしまったのだが、ただそんなコンディションの中でも、一切不安を感じることなくある程度のハイペースで走行できたのは「さすがフラッグシップモデル」といったところか。

 そうこうしているうちに、試乗ステージは高速道路から、中高速コーナーが連続する指宿スカイラインへ。このころには雨は少し小降りになってきたものの、何と今度は濃霧が発生! 本当は、視界が開ければ西側に桜島を臨めるはずだったのだが、桜島どころか20メートル先の視界すら怪しくなってきた。

アテンザ 「錦江高原ホテル」の展望台には風力発電用施設がある(車両の乗り入れには許可が必要だ)

 道中、晴れていれば風車と桜島をバックに写真が撮れる絶好の撮影スポット、錦江高原ホテルの展望台に立ち寄ったのだが、すぐ目の前に立っているはずの風車すら、濃霧にさえぎられて目視が困難というありさま。「ゴォン、ゴォン」と風車が回る音を聞きながら、風車「らしき」シルエットをバックに赤いアテンザがたたずむという、何ともシュールな構図の写真をファインダーに収めるはめとなった……。

 試乗初日はあいにくの濃霧で、思う存分走りを堪能することはできなかったが、それでも何とか霧の晴れ間を縫って、ディーゼルモデルのコーナリング性能を試してみた。ガソリンエンジンモデルと同じく、安定したロール挙動を見せながらスイスイとコーナーを抜けていくが、若干の「フロントヘビー感」を感じる。下りコーナーでのブレーキングやターンインでは、フロントへの荷重移動を丁寧にコントロールしてやらないと、「おっとっと」となることもある。逆に、ディーゼルエンジンならではのトルク感を生かしたコーナー立ち上がりでの加速は、なかなか気持ちいい。

 幸いにも、2日目の天気は晴れの予報が出ている。翌日の捲土重来を期して、早々に宿泊先の「指宿白水館」へと向かうことにした。ちなみに指宿白水館は、指宿温泉を代表する老舗温泉旅館の1つで、広大な敷地内に宿泊施設や大浴場、そして鹿児島名物の「砂むし風呂」などが並ぶ。またすぐ隣には、「薩摩伝承館」という立派な博物館が建っている。あいにく中を見物する時間はなかったのだが、建造物としての美しさは格別で、特に日が落ちてライトアップされたときの外観は見ものだ。

アテンザ 薩摩の歴史と文化が分かる「薩摩伝承館」とアテンザ(車両の乗り入れは許可が必要だ)

 その夜は、薩摩焼酎と砂むし風呂を軽く楽しんだ後、翌日の試乗と撮影に備えて早めに床に就いた。

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