無接触で光るライト、遠くからでも目立つヘルメット――“正しい”用品選びで自転車通勤をもっと楽しくジテツウは楽しい!(3/3 ページ)

» 2012年05月14日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]
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ヘルメットにも「もっと光を」

 夜のカリフォルニアをNathan Willsさんは自動車で運転していた。先の方にチカチカと点灯する光がある。「停車中のクルマかな」。だが近づくとそれは自転車のテールライトだった。

 「こんなに見えないのか」――自身も自転車に乗るWillsさんは「もっと光を」と考えた。そこで光のエリアを広げようと開発したのが「Torch T1」ヘルメットである。

自転車通勤 Torch T1

 Nathan WillsさんはカリフォルニアのデザインデュオBrandon + Bradleyのひとり。アーバンなデザインが特徴だ。

 ターゲットはこれも「都会のジテツウピープル」。10個のHigh Flux LEDを搭載し、点滅や点灯モードも選べる。2つの充電式電池で数時間の点灯が可能。前方に白いライト、後方に赤いライトは道交法にもかなう。重さは370グラム前後で一般的なレーサーヘルメット(200〜300グラム)よりはやや重い。スーツでもしっくりくるデザインだ。

自転車通勤

 2012年10月に、80〜100ドルで2サイズを発売予定。5月29日までKickstarterでファンドを募集中で、80ドル(6500円)で最初の製品が入手できる。ただし国内規格テストの関係で入手時期がずれる可能性もある。

用品から始める自転車先進国への道

 灯りについて道路交通法および道路規則をおさらいしよう。後方には赤色または橙色の反射板をつける(施行規則9条4項)。ジテツウでは反射板だけでなく、視認性の高いLED点灯ライトがほしい。

 前照灯は都道府県の公安委員会で「白色で前方10メートルの障害物を認識できる光度」と定められる。小さなチカチカだけは違反、当然だが赤いチカチカ灯を前に付けるのも違反である。暗い夜道なら前照灯とチカチカの両方を付けたい。「ここまで必要?」と思うくらいがちょうどいい。なお前面にも反射板が付く自転車を見かけるが、これは米国向け仕様で法規の規定はない(※自転車協会のBAAマーク認証では白い反射板を定める)。

 普及台数ベースでは日本は自転車大国だが、法律順守、マナーもインフラもまだ後進国である。先進国仲間入りには国や自治体の政策が必要だが、一人一人のサイクリストでもできることがある。

 それは「用品から“正しい”を始める」。

 正しい用品を装備する。照明、手袋、ヘルメットだけでなくブレーキやタイヤ圧、チェーンなどを適正に保つ。用品を意識するのは法律を守ること、それがマナーもアップさせる。マナーの悪いジテツウは勤め先の品位もブランドも貶めるのである。

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