無接触で光るライト、遠くからでも目立つヘルメット――“正しい”用品選びで自転車通勤をもっと楽しくジテツウは楽しい!(1/3 ページ)

» 2012年05月14日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。12月、異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。コンサルタント・エッセイストの仕事に加えて、クリエイター支援・創作品販売の「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など。中小企業診断士。ブログ「cotoba


 サイクリストの悦楽――それは用品選び。

 ライト、ヘルメット、鍵などのメイングッズはもちろん、ボトルホルダーやグリップやハンドル高を変える厚さ2ミリのアルミ環に至るまで、デザイン、カラー、機能にこだわる。バーテープ(ハンドルに巻くテープ)を巻く至福感といったら……。

 ジテツウでも用品選びは楽しい。ただ、ジテツウではカッコだけではなく「ジコらない」ことがもっとも大切。そこで安全でカッコいい「これからやってくる用品」を3つ紹介しよう。

リムに無接触で光るライト

 「無灯火で ジコるのは キミだけじゃない」と連載初回で川柳をひねった。無灯派の言い訳は「タイヤ側面を擦って発電するダイナモが邪魔」。ならばこの無接触で電池要らずなライト「Magnic Light」はどう?

自転車通勤 Magnic Light

 開発者はドイツ人のDirk Strothmannさん。彼の弟が自転車で“渦電流ブレーキ”を作った。原理は誰もが勉強したファラデーの法則。磁石がコイルを通過するときに電流の渦が発生するというアレだ。

 渦電流ブレーキは鉄道車両でも使われる非接触のブレーキ。そこで「ブレーキができるなら発電もしそうだ」と発想した。磁石で試すと確かに電力が発生した。

 1年数カ月後、リムの種類(アルミ、マグネシウム、スチール)を問わず無接触で発電する「Magnic Light」のプロトタイプが完成。発電機とライトの一体設計、時速20キロで最大1ワットを非接触で実現する(省電力で高輝度なCrre XML-T6 LEDを使用)。

 本格生産のためDirkさんらは、個人にファンドを募るWebサイト「Kickstarter」で開発費用を募った。ファンドは成功し、初回ロットを2012年9月に出荷する予定だ。

自転車通勤 Magnic Light

 3Dプリンタで試作したカーボン製は、フロント用が120グラムで130ドル(約1万円)、リア用が26グラムで85ドル(約7000円)。量産モデルでは素材が樹脂になり低価格化も期待できる。すでに日本の会社を含め20カ国から問い合わせが殺到している。

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