YouTuberがどれだけ稼いでいるのかまとめてみた(3/5 ページ)

» 2015年02月09日 07時00分 公開
[深澤祐援,Credo]
Credo

日本とインドでYouTuberが伸び悩む理由

 日本とインドを加えたのは、YouTubeへのアクセス数だけなら日本とインドは米国に次いで第2位、3位の多さを誇る国だからです。

 しかし、この2国はそれだけYouTubeを利用している人が多いにもかかわらず、YouTuberの収入平均値が比較的小さい水準にとどまっています。

 日本では、YouTubeだけでなくニコニコ動画の人気も非常に高く、シェアを奪い合っているというのが大きな原因の1つと考えられます。また、言語の壁も大きいと感じています。英語圏ユーザー向けに動画を作成するには日本人にとってかなりのスキルが要求されるので、YouTubeで人気の動画になるのはもともと英語圏出身の投稿者に比べると難しいのかもしれません。

 インドについては、アクセス数の多さはインドという国の人口、そして近年のスマートフォン普及に伴うインターネット利用者の増加傾向で説明できます。

 2013年の時点で、約15億人存在するインドではインフラや資産状況などの関係からPCを所持できない農村部において、スマートフォンの需要が高まっています。調査会社IDCの調査結果によれば、2013年のインドにおけるスマートフォン販売台数は前年比3倍の4400万台で、携帯電話全体では前年比18%増の2億5700万台となったとのことです。

 スマートフォンの普及率も急激に上昇しており、インド人の多くがモバイルデバイスからYouTubeを利用しているのだと思われます。

 それと同時に、アクセス数の多さと反比例して動画を投稿して収益を得るインド人YouTuberが少ないことも説明できます。動画再生数を伸ばすためには編集ソフトなどを用いてできるだけ質の高い動画を投稿するべく、PCを持つことが必要になってきます。

 しかし、2011年のインド政府国勢調査の結果によると、農村に住んでいる人でPCを持っているのはわずか5%であり、都市部における普及率の20%とは差があります。このようにインターネットに関する歴史が浅く、格差も大きいインドにおいて、まだ動画を投稿するということは一般的ではないのかもしれません。

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