ここまでのデータから今後のYouTubeの動向について推測してみます。
まず、国については、アクセス数の多さから言ってもインド発のYouTuberが今後さらに増えるのではないかと推測されます。
都市部ではすでに十分な人が所持しているPCの普及率は、今後、インドの国としての発展、インターネットインフラの整備、またPCの低価格化が進むに伴いより広い地域で増えていくでしょう。すでにYouTubeに慣れ親しむ人が多ければ、十分な投稿環境が簡単に整うようになれば自然と人気投稿者も増えていくのではないでしょうか。
続いてジャンルについて考えてみます。前述した3ジャンルには及びませんが、コメディ(Comedy)、映画(Film)は比較的裾の広い分布となっており、多様な収入分布を見せています。
先の考えをそのまま適用すれば、これら2つのジャンルにはより更に大きくなる兆候があるということになります。その2つのうち今回は、コメディの可能性を指摘したいと思います。
それは、YouTubeがテレビにとって代わる存在となりつつあるという点です。
2014年に米国で行われた調査によれば、YouTubeを見て過ごすと答えた人がテレビを見て過ごすと答えた人よりも多く、米国ではすでにポジションの入れ替わりが起きています。そうなれば、テレビにおいて人気のコンテンツであったコメディがYouTubeにおいても重要なコンテンツにならないはずがない――というふうに考えられるのではないでしょうか。
日本では、芸能事務所の大手である吉本興業が昨年、YouTubeへの本格的な参入を発表しました(参照リンク:吉本興業、YouTube動画ネットワークを活用したオンラインタレント・クリエイター発掘・育成プラットフォーム「OmO」スタート MarkeZine)。
新しいお笑い芸人、ネタを見せる場を探している芸人の人たちにとって、YouTubeという全員に均等に表現できる場が与えられているというのは、テレビと比べて非常に整った環境であると言えます。もちろん、現時点でも十分人気のジャンルであるコメディですが、このままの水準にとどまることはないでしょう。
ジャンルの移り変わりがどうなっていくのかという部分も含めて、YouTubeが今後どのようなコンテンツとなっていくのか、注目が集まります。(深澤祐援)
Copyright © Credo All rights reserved.
Special
PR注目記事ランキング