安藤: 日本で生活をしていると、信じられないかもしれませんが、こうした光景は珍しくありません。途上国は病院の数が少ないので、どうしてもひとつのベッドに患者さんが2人というケースはよくあります。
土肥: もし私がベトナムで腹痛を訴えてきたら、どのように対応されるのでしょうか?
安藤: 緊急性が高くて、すぐに手術をしなければいけないという場合は、現地での手術になりますが、時間的に余裕がある場合は、バンコクでの手術をオススメしますね。
主治医に話を聞いて、ドイさんの症状を詳しく把握する。そして、ドイさんに「(例えば)盲腸と診断されましたが、ベトナムで手術をするよりもバンコクでしたほうがいいですよ」と助言します。もちろん、搬送にはコストが発生しますので、勤務先に状況を説明して、保険なども確認して、その上でOKという返事をいただければ、実際に搬送します。
土肥: 空飛ぶICUの登場ですか?
安藤: ですね。盲腸ではなくて、重病の場合はどうするか。例えば、心筋梗塞や脳梗塞を患った場合には、日本への帰国も考えられます。その際、入院先が必要であれば、病院の手配もこちらで行います。
土肥: いたれりつくせりですね。
安藤: ちなみに、2008〜2010年の3年間に、医者または看護師が付き添って日本に帰国したケースは385件、うち専用機を使ったのは54件ですね。
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