海外で病気、どうする? 大丈夫、助けてくれる会社があるのだ仕事をしたら“人を助ける”ことができた(4/6 ページ)

» 2015年02月04日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

香港の病院に搬送

土肥: 保険会社によっては、海外で病気を患ったら最寄りの病院を紹介してくれますよね。そういったサービスと御社のサービスはどのような違いがあるのでしょうか?

安藤: 実際にあった事例をご紹介しますね。上海で駐在しているある男性から「今日(金曜日)の晩から胸が痛みだした。病院を紹介してほしい」と連絡が入りました。保険会社であれば「分かりました。明日は土曜日ですが、この病院であれば受け付けてくれますよ」といった感じで紹介されるでしょう。しかし弊社では、医者が症状を聞きます。その男性の場合、解離性動脈瘤の疑いがありましたので「明日まで待たないで、いますぐ病院に行ったほうがいいですよ」とアドバイスしました。

 その男性は病院で診てもらったところ、やはり解離性動脈の疑いがあって、すぐに手術をしなければいけない状態でした。しかし、中国の病院はすぐに手術しようとしませんでした。男性は「この病院で本当に大丈夫なのか?」と心配になって、こちらに連絡をしてくれて、専用機で香港の病院に緊急搬送しました。そこではすぐに手術をしてくれて、無事に成功。手術をしてから1週間後に退院して、2週間後に社会復帰することができました。

 一方で、とても残念なケースが北京でありました。先ほどの上海の男性と同じ病気を患っていたのですが、北京の病院では診断までに3日間かかりました。そのタイミングで弊社に連絡が入って、「2週間後に手術をすることになった」とのことでした。2週間も待ってられる病気ではないので、「すぐに手術すべきです」とアドバイスしたのですが、家族は北京の病院を信用していました。残念ながら……その人は5日後に亡くなられました。

 日本ではインフォームドコンセントが根付いてきましたが、海外ではまだまだというところが多い。北京の病院はインフォームドコンセントどころか、患者さんに病状をきちんと説明していませんでした。また、遺族への説明もありませんでした。

土肥: それはひどいですねえ。

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