セイコー、シチズン、カシオから出揃った、最新GPSソーラーウオッチを使ってみたどこが違う?(1/3 ページ)

» 2014年12月22日 08時45分 公開
[青山祐介,Business Media 誠]

 腕時計が一年で最も売れる、クリスマス〜年末年始の商戦期が始まる。2014年の男性向け腕時計で最もホットなジャンルの一つが「GPSソーラーウオッチ」だ。2014年は日本を代表する時計メーカー3社から、続々と新しい世代のGPSソーラーウオッチがデビューした年だった。

 この秋冬の新作では、セイコーがGPSソーラーウォッチの第二世代となる「セイコー アストロン 8Xシリーズ」(参考記事、以下「ASTRON 8X」)を9月19日に、シチズンは衛星電波ウォッチとして世界最薄となる「エコ・ドライブ サテライト ウエーブF100」(参考記事、以下「SATELLITE WAVE F100」)を10月10日に、そしてカシオがフルメタル電波ソーラーで初となるGPSモデル「OCEANUS OCW-G1000」(参考記事、以下「OCEANUS G1000」)を10月25日にそれぞれ発売した。今春のバーセルワールド2014では、セイコーとシチズンが同製品を参考出品し、カシオも先に出たGPS+電波受信機能搭載モデルの「G-SHOCK GPW-1000」を発表するなど、GPSウオッチは今年、最もホットなトレンドの一つだといえる。

「セイコー アストロン 8Xシリーズ」(出典:セイコー)
「エコ・ドライブ サテライト ウエーブF100」(出典:シチズン)
「OCEANUS OCW-G1000」(出典:カシオ計算機)

海外へよく行く人のための腕時計

 GPSソーラーウオッチを初めて作ったのはセイコーだった。2012年に登場した世界初のGPSソーラーウオッチ「セイコーアストロン」は、もともとオメガ「スピードマスター」を愛用していた安倍首相が、岸川外相と共に購入したことで話題になった(参考記事)

 そもそもGPSウオッチとは、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受けて時刻を補正する時計のこと。今回紹介する3機種はいずれも、光を受けて発電し、充電や電池交換が不要なソーラーウオッチだ。

 GPSといえば一般的にはカーナビゲーションに代表されるように、位置を知るためのものとして知られている。ランニングやサイクリングをするときなどに身に着けて位置情報を記録するためのGPSウオッチもあるが、今回試用した3機種はいずれもそういう用途ではない。海外など、タイムゾーンが異なるエリアに行ったときに、りゅうずをクルクル回して時刻合わせをしなくても、自動あるいは非常に簡単な操作で現地の時間に合わせられる、という機能を備えた時計である。

GPSの即位原理。各衛星内には原子時計があり、非常に正確な時刻情報を持っている。GPSチップは複数のGPS衛星からの信号を受信して、自分の時刻と位置を割り出す

 GPS衛星には極めて精度の高い時計が搭載されていて、位置と同時に正確な時刻の情報を得ることができる(参考記事)。GPSウオッチはこの時刻情報を利用して時刻を補正している。また当然ながら位置の情報も得られるため、時計によっては現在地をGPSによって把握し、タイムゾーンを認識するのに利用しているモデルもある。

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