あえて言う。コンビニでの“土下座事件”は、再び起きるご一緒に“おでん”いかがですか(3/4 ページ)

» 2014年09月16日 11時30分 公開
[川乃もりや,Business Media 誠]

同じようなトラブルはきっと起きる

 コンビニで「水をくれ」というのは、お客としての正当な要望なのだろうか。それとも、わがままなのだろうか。はたまたお願いだろうか。店としては、どこまで応えればいいのだろうか。もちろん、水をあげたくらいで、店の経営が傾くことはない。しかし、モノを売って生活をしている人間にとって、売っているモノは買ってもらいたいという気持ちがある。

 横柄な態度で「のり、ハサミ、ペン」などと言われると、カチンとくる。借りたいという気持ちが分かっていても、筆者はわざとらしい笑顔で「ペンはコチラになります」と言って、売り場を案内する。そこで多くの人は、売っているモノを借りようとしている自分は少しわがままなのかもしれないと感じてくれる。「あっ、ごめんなさい。ちょっとペンを貸してくれますか?」と言い直してくれる。もちろんコチラの嫌味に気が付かず、怒り出すやからもいるが……。

 茨木市のコンビニで騒いだ犯人は、容貌から言動まで“悪人”そのものだったので、多くの人は店に対して「かわいそうだなあ」と感じたはず。しかし、今回のような“悪人”ではなく普通の人で、恐喝行為がなければ、世間の見方は180度変わっていたのではないだろうか。

 この行為はオススメするわけではないが、もしあなたが店員に「水をくれ」と言ったら、ほとんどの店でもらえるだろう。水だけではなく、のりもハサミもテープも貸してくれるだろう。しかし、今回の騒動が起きる前から、お客のそうした行為に疑問を感じているオーナーが増えてきている。そんなオーナーに向かって、横柄な態度でわがままを言った場合……同じようなトラブルは今後もきっと起きるはずだ。

メモ:

 逆に進んで水を提供する場合もある。緊急時の時だ。震災の際は帰宅者の休憩所、水分補給場としての役割をコンビニは担っている。

 多くのコンビニは災害時帰宅支援ステーションに加盟していて、水道水の提供、トイレの使用、地図による道路情報、ラジオなどで知り得た通行可能な道路に関する情報の提供など、可能な範囲で協力することになっている。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.