京急電鉄のカジノ構想で注目、「統合型リゾート(IR)」が“うさんくさい”ワケ杉山淳一の時事日想(2/6 ページ)

» 2014年08月29日 08時00分 公開
[杉山淳一Business Media 誠]
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 京急電鉄が2014年8月15日に発表したプレスリリース(関連リンク参照)に「カジノ」という言葉はない。しかし、報道各社の記事にあるように、中心となる施設はカジノであり、2014年秋の臨時国会で成立されそうな「統合型リゾート推進法案(カジノ法案)」が念頭にある。京急の平和島競艇場の実績があれば、京急によるカジノ付き商業施設はきっと成功するだろう。

photo 京急電鉄が8月15日に発表したプレスリリース「IR施設(統合型リゾート)運営を見据えた新規事業プロジェクトチームを発足」(出典:京急電鉄プレスリリース)

 お台場で同様の構想を掲げるテレビ局や不動産会社は、完成までの構想は描ける。しかし、運営面で最も成功に近い会社は京急グループだと思う。候補地としてはお台場、横浜が上がっている。お台場には京急グループの「ホテルグランパシフィック・ル・ダイバ」がある。横浜市は官民ともに研究を始めており、山下埠頭が候補地とのことだ。

 それ以前の2010年に、京急開発は政府官邸の国際戦略総合特区募集に対して「平和島競艇場のカジノ付きリニューアル」を提案している。その関連資料を読むと、京急が描く「統合型リゾート」の概要が分かる。ただし、提案書に記載されたカジノ付きリゾートホテルの建設用地は現在、物流センタービルを建設(関連リンク参照)しており、NTT関連の物流会社が入居予定だ。平和島の計画は止まったとみてよさそうだ。

photo 京急開発が官邸に提出した、(仮称)平和島国際戦略総合特区プロジェクトの概要
photo 同プロジェクトで政府に求めている特例のリスト。4番目にカジノ施設の営業許可がある

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