なぜ「グローバル」と聞いて、不安を感じるのか仕事をしたら“なんちゃってグローバル君”がいた(2)(4/6 ページ)

» 2013年07月17日 00時02分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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「世界と戦う」と決めたら、早く準備せよ

土肥:企業に、海外拠点を設置する上で、直面している課題を聞いたところ「グローバル化を推進する国内人材の確保・育成」がトップでした(経済産業省のグローバル人材育成に関する調査)。日本はバブル経済が弾け、経費節減の影響で海外に出張する人が減りました。また海外に留学する学生も減少傾向にあります。こうした背景があって、グローバル人材が育ちにくくなっているのではないでしょうか。

海外拠点を設置する上で、直面している課題は? (出典:経済産業省のグローバル人材育成に関する調査)

田村:もうそんなことは言っていられない時代ですよ。今は、膨大な数のユーザーあるいは機器が常にネットワークにつながっている「ハイパーコネクト」時代なので、世界中の人と競争しなければいけません。「世界と戦う」と決めたら、早く準備をして、日本を出なければいけません。

 これまでの日本人は国内にいる1億人と勝負していればよかったのですが、これからは世界にいる70億人と勝負しなければいけなくなる。「チャンスは70倍になる」と思う人もいるかもしれませんが、グローバル社会の中では優れた人にだけチャンスが集中します。

 世界で戦うには、がんばらないといけません。自分の新しいポジションを見つけたり、新しいマーケットを見つけたり、新しい商品を開発したり、新しいサービスを提供したり。大きなマーケットで勝負をするのは楽しいと思いますが、他人には負けていないと思っていた自分の力が、今後どうなるかは分かりません。若い人が多い新興国が、今後どうなるかは分かりません。そういう前提を認識したうえで、自分で決断していかなければいけません。繰り返しになりますが、海外を見ないで決断するのは非常に危険。日本に残るにしても、世界を見ていないと、今後の日本がどうなっていくのかがよく分からないと思う。日本だけ見ていれば大丈夫という時代ではないので、一度は海外に行ってみてください。

土肥:とはいえ、「グローバル」と聞くだけで、萎縮する読者はまだまだ多いと思います。

田村:そんなに怖いですかねえ。ワクワクしている人も多いのではないでしょうか。

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