田村:グローバル化だけでなく、テクノロジーの進化によって、私たちはもっと上手に働かなくてはいけません。でないと、いまの給料は維持できません。
例えば、ルンバ。ロボットの掃除機が登場したことによって、掃除をする仕事がなくなってしまうかもしれません。便利さを追求すれば、ロボットのほうが安くて頼りになる。逆にいえば、人間は、ロボットにできないことをどんどん考えていけばいい。いずれロボットには勝てなくなるかもしれませんが、発想という点ではどうでしょうか。新しいアイデアを生み出す能力は、私たちが勝っているので、人間はロボットをうまく使っていけばいいんですよ。
ドイさんの仕事はいいですよね。ロボットがインタビューをして、記事を書くなんてできないですから。
土肥:と、とんでもないですよ。簡単な記事だったら、いまはロボットが書けるそうですから。やがて……はっ、やっぱり不安だ(苦笑)。
田村:これまで医者ができなかった手術を、ロボットならできる時代がやってくるかもしれません。人間は疲れていたり、気分がのらないことがあります。でもロボットにはそうした感情がないので、安心して任せられるようになるかもしれません。
また何十万人のデータから瞬時に、症状を探し当てるのは、医者よりもコンピュータのほうが早い。弁護士の世界もそうですよね。膨大なデータから瞬時に、判例などを見つけ出すのは早い。記憶勝負の職業は、いずれロボットに負けるのではないでしょうか。
土肥:医者にはできなかったことが、ロボットでできるようになると、人間の寿命が伸びるますね。ハッピー♪。
田村:そうとは言えません。人間の寿命が伸びても、年金があてになりません。終身雇用もなくなりつつあるので、多くの人が食っていけなくなるかもしれない。寿命が伸びても、大変なことが待っていますよ。
土肥:はあ……生きるって大変ですねえ(苦笑)。次に、世界で戦うと決めたときに、どういったことを準備すればいいのか。そのあたりの話を聞かせていただけますか?
田村:分かりました。
(つづく)
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