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» 2013年04月19日 12時00分 UPDATE

気鋭の経営者に聞く、組織マネジメントの流儀(2):なぜ部下にイライラしてしまうのか? 上司が歩む3つのステップ (1/4)

「なぜ自分の部下はもっと仕事をしてくれないのか?」――そんな悩みを抱えている人は多いだろう。部下にイライラしたとき、上司はどのように対応すればいいのか。パタゴニア日本支社の辻井支社長に聞いた。

[Business Media 誠]

気鋭の経営者に聞く、組織マネジメントの流儀:

 厳しい経営環境が続く中でも、独自のスタイルで成功している企業がある。そんな企業に共通するのが「組織力」ではないだろうか?

 組織がまとまっていることで、企業の成長スピードも変われば、社風そのものが対外的に発信されやすくなり、ブランドイメージの差別化にもつながる。

 そこで、本企画では「組織力」で勝ち残っている企業の経営者をお招きし、「組織をまとめるために意識していること」や「組織マネジメント」についてうかがい、どうやって組織力を高めれば良いかを考える。組織マネジメントの学術書『U理論』の翻訳者、組織マネジメントコンサルタントの中土井僚氏が、パタゴニア日本支社長・辻井隆行氏に話を聞いた。全3回でお送りする。


部下の育成に悩んだとき

中土井:辻井支社長は「部下の育成に悩んだとき」どうされているのですか?

辻井:大切なのは「排除しない」ことだと思っています。話が飛んで申し訳ないですが、以前、カンボジアで地雷除去のほか、コンゴやウガンダで少年兵の社会復帰支援などの活動をしているNPO法人テラ・ルネッサンスの鬼丸さんに質問したことがあるんです。講演会で「少年兵たちの過酷な状況を日本で伝える活動をしている中で、話を聞かずに寝る人やおしゃべりしている人がいる。なんでこんなに大切な話をしているのに……と、腹が立ちませんか?」って。

中土井:いますね、講演中に寝ている人。大人でもいます。

辻井:私自身もパタゴニアの理念や活動、環境問題、消費のあり方などについて、人前でお話することがあります。でも聴衆の中には寝ている人がいるんですね。そんな話をしていると、鬼丸さんは「その気持ちはよくわ分かります。講演会で、自分はすごく大切な話をしていると思っているのに、聞いていない人がいる。でも、そこで怒りを感じるとその講演会は失敗します。『この人たちには、言っても無駄だ』と排除してしまうと、ますますよくないんです」と教えてくれました。

 排除されていると感じた人は、ちゃんと見てもらいたくて過激な行動に出ることもあるそうです。例えば、高校などで話をしている最中に、屋上に上って騒音を立てたり、消火器を噴射したり。そこで彼が出した答えは「信じることと期待を区別する」ということです。

中土井:それはどんな区別なのでしょうか?

辻井:「期待」は、相手に見返りや成果を求めることです。例えば、パタゴニアでは業務を行う際に、ゴールを明らかにして責任の内容と所在を明確にし、出すべき成果や付加価値を伝えなくてはなりません。これが期待ですね。こういったプロセスがあるから、成果や仕事に対して評価ができるわけです。

 でも、ここで大切なのは、こうしたプロセスを踏むだけでなく、まずは相手を信じることなのです。あなたの中にはもともと貢献する心も能力もあるはずだから、それを見つけたいのだという意識で接するのが大切ではないでしょうか。

yd_taidan2-1.jpg 組織マネジメントコンサルタントの中土井僚氏(左)とパタゴニア日本支社長・辻井隆行氏(右)
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