では具体的にどのようなシーンで使えるのか。エレベータースピーチはこんなふうに使ってください。
あなたはとっておきの新商品のアイデアを思い付きました。商品化を提案したいのですが、営業部所属のあなたは製造部門のトップを説得しないといけません。そんなとき、製造部門のトップと偶然エレベーターに乗り合わせました。これは千載一隅のチャンス! ここで大活躍するのがエレベータースピーチです。基本3行で、言いたいことを伝えます
(1)Hi, I’m Taro Miura in Sales. I have an idea for a new product, and everyone I’ve talked to says it’s revolutionary.
(こんにちは、営業部の三浦と申します。実は、新商品のアイデアがあります)
(2)It’s based on suggestions from our clients.
(最近クライアントからご提案いただいたことなのですが)
(3)I can summarize my idea in a one-page report that I’ll send to you tomorrow, if you don’t mind.
(よろしければ、明日1ページのリポートにまとめてお送りします)
このスピーチによって、何もしなければお蔵入りになっていたアイデアが、一転、製品化への最短ステップを進み始めるかもしれません。アイデアが実現される可能性がぐんと高まるのです。
またエレベータースピーチは、日常的なコミュニケーションでも使えます。普段忙しくてなかなか時間をとってもらえない上司が、今ちょっとだけ時間がありそう。最近、あなたをずっと悩ませている案件について、ぜひとも話し合いの場を持ちたい。では、どうしたらミーティングにこぎつけるか。
次のようなエレベータースピーチで話しかければ、上司も打ち合わせに応じてくれると思います。ポイントはここでも3行構成であること。
(1)Hi, I’d like to brainstorm with you on a problem I’m having.
(部長、ちょっとご相談したいことがあります)
(2)We need to find a way to a turn ABC into a happy customer.
(ABC社を満足いただける顧客にするよい方法を見つける必要があります)
(3)Could we talk about it this afternoon?
(本日、午後どこかで30分ほどいただけませんか。)
エレベータースピーチは、ちょっとしたチャンスに自分の伝えたいことを明確に伝え、かつ相手の記憶に深く印象付けるスピーチです。
エレベータースピーチは、お偉方へのリポートやプレゼンテーションのためだけに使うスキルではありません。どんどん普段のコミュニケーションに取り入れましょう。
日常的なコミュニケーションの積み重ねで、人の印象は形作られていきます。分かりやすい話をする人はそれだけで評価が高くなります。
あなたにもこんな経験はないでしょうか。
「つまらない話を聞かされたせいで、仕事が進まなかった」
「無駄に長いスピーチにあくびが出た」
「もっとコンパクトに話をまとめれば済むことなのに、どうしてこんなに長く話すのか分からない」
恐らくあなたが抱いた、こういう話し手への印象は決してよくないことでしょう。
相手の時間を余計にとってしまったり、言いたいことをうまく伝えられず、相手を悩ませてしまったりすると、相手をイライラさせてしまうので、あなたの評価が下がってしまいます。
できるだけ分かりやすく、短い時間で話すことを、常日ごろから心掛けたいもの。嫌なヤツ、使えないヤツと思われないためにも、オススメします。そうすればコミュニケーションがラクになり、人間関係もぐんとスムーズになります。
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