人の心をつかむ、「エレベータースピーチ」とはネイティブに伝わるビジネス英語(4/4 ページ)

» 2013年04月12日 08時00分 公開
[デイビッド・セイン,Business Media 誠]
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のんびり聞いてくれるほど、みんな暇ではない

 エレベータースピーチは、エレベーターの中だけでのコミュニケーションスキルではありません。与えられたわずかな時間で、伝えたいことを相手に伝えるスキルです。

 アメリカ映画『ワーキング・ガール』のような劇的な出会いばかりでなく、取引先の企業の担当者や上司、営業先の役員や社長、直属の上司や社長など、さまざまな立場の人との普段のコミュニケーションでも役立ちます。エレベータースピーチを身に付ければ、もうあなたはどんな場面でも「何を言っているのかわからないんだけど」「要するに言いたいことは何だ?」「話は手短に頼む」などといったリアクションはとられなくなるでしょう。

 要点を簡潔に伝えることができると、相手にとらせる時間はわずかですみます。10秒でも相手に無駄な時間だと思われてしまってはそこから先に進めません。用件は手短にすませる、それを心掛けるだけでも、あなたの印象はよくなります。

 スピードが求められる今のビジネス社会では、責任を負う立場になればなるほど、ゆっくり時間をかけて人の話に耳を傾ける余裕はなくなっています。だからこそ、ビジネスシーンでは、特に短い時間で伝えたいことを伝えるスキルが必要なのです。

 のんびり聞いてくれる時間がないからといって、全く時間がとれないというわけではありません。それこそエレベーターに同乗した、あるいは廊下ですれ違ったといった、わずかな時間をチャンスととらえ、積極的に話しかければいいのです。

 例えば空港ラウンジやオフィスビル内にあるカフェで偶然隣り合わせになることもあるでしょうし、オフィスビルのロビーや玄関ですれ違ったり、タクシーを待っている列に一緒に並ぶこともあるでしょう。一緒に行動することが多い、直属の上司が対象なら、30秒くらいの時間はいつでも見つけられるはずです。また、自分を売り込むターゲットが決まっている場合も、それくらいの時間ならきっと見つけられるはずです。


 次回からは、実際に使えるビジネススピーチの文例を紹介していきます。

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