コラム
» 2013年02月08日 08時02分 UPDATE

杉山淳一の時事日想:廃止路線を復活させたことで、どんなことを学んだのか (1/4)

JR西日本と広島市は2月1日、可部線の電化延伸事業について合意した。2015年春に開業予定。1.6キロメートルの「延伸計画」は、かつての廃止区間の復活であり、実現に向けた人々の努力が実った。

[杉山淳一,Business Media 誠]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP、誠Styleで「杉山淳一の +R Style」を連載している。


 JR西日本が運行する可部(かべ)線は、山陽本線の横川駅(広島県)と可部駅(同)を結ぶ14キロメートルの路線だ。全線単線ながら電化されており、横川―可部の所要時間は約30分。横川駅は広島駅の隣ということもあって、全列車が山陽本線に乗り入れ、広島駅を発着する。広島市中心部への通勤通学路線といえる。

 しかし、可部線はかつては可部より約46キロメートル先の三段峡が終点だった。三段峡は広島市街へ注ぐ太田川の上流にあり、約16キロメートルにわたる峡谷。紅葉の名所でもある。ただし三段峡駅は景勝地からは離れていて、バスで中腹の出合橋へ行き、そこから三段峡駅まで下ってくるというルートが人気だった。もっとも、三段峡駅がにぎわう時期は紅葉と新緑の時期だけで、可部線自体は赤字ローカル線であった。

yd_sugiyama1.jpg 可部線の路線図 青線が現存区間、黒線が廃止区間。赤線が復活する区間(出典:Google Maps)
yd_sugiyama2.jpgyd_sugiyama3.jpg 私が可部線を訪れた時期は廃止直前の秋。紅葉見物客と鉄道ファンなど、大勢の人々でにぎわっていた(左)、右の写真は景勝地三段峡の三段滝

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