法人税控除で、私たちの給与は上がるのか世の中の動きの個人資産への影響を考えてみる(3/3 ページ)

» 2013年01月31日 08時00分 公開
[川瀬太志,Business Media 誠]
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給与を上げるには自分の稼ぎを上げること

 まとめると、日本の労働分配率は下がっては来ていますがもともと高かったので、今は先進諸国並みになったということです。一方、労働生産性はそれほど高くなくギリシャ並みです。分配率が低いなら「企業は儲かった額をもっと給与に反映すべき!」と言えますが、実際はそうではなくて生産性そのものが低いのですから「ひとりひとりがもっともうけましょう!」ということになります。

 つまり、私たちが給与をもっともらうためには、会社に分配を変えてもらうのではなくて自分自身がもっと稼がないといけないということなのです。

 皆さんは自分がいくら稼いで、そこからいくら給与をもらっているかを掴んでいますか? 経営者やもしくはそれに近い人、業績連動の年棒制で働いている人などは、いつも自分が会社にもたらした稼ぎを掴んでいると思います。そういう人は「給与を上げるには生産性を上げるしかない」と実感しているのではないでしょうか。

 一方で、定期昇給の人や事務職の人、公務員や定額の派遣やパート・アルバイトの人などは「自分の稼ぎ」はなかなか意識できる環境ではないと思います。しかし基本的には、給与とは「自分がいくら稼ぎをもたらしているか」で決まるのです。

 冒頭で挙げた法人税の雇用減税に話を戻すと、儲かってもいないのに法人税を減らすために給与を増やすという会社はほぼないでしょう。まずは会社が儲かること。それから、そのもうけを、節税になるのなら税金よりも社員の給与を上げようか、あるいは雇用を増やそうかとなるのが普通です。

 自分の給与を上げようと思うなら減税の制度にかかわらず、自分が稼ぐ額を増やせばいいだけの話ということになるのです。人口減少社会にある日本では、みんなが生産性を上げないと国の稼ぎ(GDP)も増えません。ある意味わかりやすくていいですね、頑張りましょう!(川瀬太志)

※この記事は、誠ブログ世の中の動きの個人資産への影響を考えてみる」より転載しています。

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