ジブリなしでも好調だった2012年のアニメビジネスを振り返るアニメビジネスの今(4/4 ページ)

» 2012年12月28日 08時00分 公開
[増田弘道,Business Media 誠]
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9月

日にち 内容
8日 とっとりアニカルまつり2012開催
15日 アニメ産業レポート発刊。アニメ産業の回復基調が鮮明に。
21日 第1回京都国際マンガ・アニメフェア(京まふ)開催。
24日 朝日新聞世論調査で、中国人が興味のある日本の文化や生活で漫画・アニメが27%と支持率トップに。

 鳥取と京都でアニメ関連イベントがあったが、近年この種のイベントは増えつつある。京都国際マンガ・アニメフェアは外国人観光客にも人気の京都で行われることもあり、今後海外からの注目も集めそうな気配である。

京都国際マンガ・アニメフェア公式Webサイト

10月

日にち 内容
10月期テレビアニメスタート。『PSYCHO-PASS』『ロボティクス・ノーツ』『ジョジョの奇妙な冒険』『新世界より』『中二病でも恋がしたい』など。
1日 改正著作権法施行。
9日 創通決算発表。
28日 日本経済新聞に「アニメ産業を盛り上げよう」という社説が出る
30日 ディズニーがルーカスフイルムを40億5000万ドルで買収(『なぜルーカスフィルムを買収したのか、“放送事業者”としてのディズニー』)

 10月1日に施行された改正著作権法。違法ダウンロード罰則化で、2年以下の懲役または200万以下の罰金が課せられることになった。ある音楽メーカーによると、これによって一時的に違法音楽ダウンロードが激減したということだ。いろいろ論議を呼んだこの改正著作権だが、TPPへの加盟が検討されていることもあり、著作権法は強化される方向へと進みつつある。

11月

日にち 内容
2日 宮崎駿監督が文化勲章を受章。アニメ監督では初。
5日 JASRACが過去30年間の著作権使用料を発表。ヱヴァンゲリヲンのBGMが4位に。
12日 アニメ業界と他業種がコラボするための「アニメビジネス・パートナーズフォーラム」開催。
15日 メルセデス・ベンツの新世代コンパクトカーのキャンペーン「NEXT A-Class」に合わせて、プロダクション I.Gがオリジナルアニメを制作
17日 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』公開。

 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』が公開され、初週土日の興収11億3100万円とロケットダッシュを切った。前作の興収40億円を抜くのは確実だが、それ以後どこまで数字を伸ばせるか注目される。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q公式Webサイト

12月

日にち 内容
13日 スタジオジブリが2013年夏に宮崎駿監督の『風立ちぬ』と高畑勲監督の『かぐや姫の物語』を公開すると発表。
15日 『ONE PIECE FILM Z』公開。
18日 22歳の山本蒼美監督が『この男子、宇宙人と戦えます。』『この男子、人魚ひろいました。』でデビュー
23日 巨人の星を原作とした『ライジングスター』がインドで放映開始

 師走に入り、2013年夏公開のジブリ作品が発表された。それも、宮崎駿監督、高畑勲監督という超重量級ラインアップの同時公開である。これで来年の夏の楽しみが一段と増えた。

『風立ちぬ』公式Webサイト

 この記事が今年最後の連載となります。来年休み明けにまたお会いしたいと思います。良い年をお迎え下さい。

増田弘道(ますだ・ひろみち)

1954年生まれ。法政大学卒業後、音楽を始めとして、出版、アニメなど多岐に渡るコンテンツビジネスを経験。ビデオマーケット取締役、映画専門大学院大学専任教授、日本動画協会データベースワーキング座長。著書に『アニメビジネスがわかる』(NTT出版)、『もっとわかるアニメビジネス』(NTT出版)、『アニメ産業レポート』(編集・共同執筆、2009〜2011年、日本動画協会データーベースワーキング)などがある。

ブログ:「アニメビジネスがわかる


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