インタビュー
» 2012年12月21日 00時00分 UPDATE

仕事をしたら“黒ビール”が売れた:“不毛地帯”の日本で、なぜ黒ビールが売れたのか (3/5)

[土肥義則,Business Media 誠]

室井:例えば英国では30%弱もあるんですよ。国によっては黒ビールが根付いているのに、なぜ日本では飲まれていないのか。日本人にあった黒ビールを発売すれば、根付くのではないのか、と考えました。そこで20〜30代の若い人を中心に、黒ビールについて調査を行いました。

 黒ビールについてどう思いますか? と聞いたところ、多くの人がとても良い印象を持っていることが分かりました。「カッコイイ」「都会的」「大人」といった答えが返ってきました。その一方で、悪い印象もありました。それは「味はちょっと苦いよね」「飲みづらい、苦手だ」といった声ですね。

 この結果を受け、社内ではこんな話になりました。「いいイメージのモノって少ないので、これはチャンスかもしれない。お客さまの嗜好にあったモノを提案すれば売れるのでは」「飲みやすい黒ビールをつくれば、新しい市場をつくれるかも」などの意見が飛び交いました。

yd_asahi3.jpg 国別黒ビール、ピルスナービールの構成比(出典:2011年ユーロモニター社資料)

土肥:なるほど。ビールが好きという人でも「黒ビールはちょっと……」という人は多いですよね。ちょっと気になったのは、調査対象を若い人を中心にということですが、それはなぜでしょうか。よく「若い人の間でビール離れが進んでいる」などと言われていますが、その世代をターゲットにしたかったのでしょうか?

室井:スーパードライってどんなイメージがありますか? といった調査を定期的に行っていますが、数年前から「お父さんが飲んでいるビール」という声が出てきました。

土肥:「そりゃイカン! 若者がドライから離れておる」となったわけですね。で、どんなことをされたのでしょうか?

室井:3年目に「エクストラコールド」の販売を始めました。このビールの温度は氷点下(−2度〜0度)なのですが、なぜそんなに冷たくしたかというと苦味が感じにくくなるから。「ビールの苦味が嫌い」という若い人でも「エクストラコールドなら飲める」といった声を聞きました。

 このときの経験でこんなことが分かりました。「若者のビール離れ」と言われていますが、若い人の嗜好にあったビールを提案すれば、きちんと受け入れられるのではないかと。そしてエクストラコールドの次に何かないか? と探していたところ、黒ビールに注目が集まったわけです。

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