インタビュー
» 2012年12月21日 00時00分 UPDATE

仕事をしたら“黒ビール”が売れた:“不毛地帯”の日本で、なぜ黒ビールが売れたのか (4/5)

[土肥義則,Business Media 誠]

開発の舞台裏

yd_asahi4.jpg スーパードライの知見を生かして、ドライブラックは誕生した

土肥:他社の黒ビールは“重い”のに、ドライブラックは“軽い”――。なぜ同じ黒でもこんなに味が違うのかなと思っていましたが、ターゲットが違ったわけですね。

室井:社内では「ドライにしかできない、ブラックをつくろう」という声がありました。「黒ビールは飲みにくい」という声があるので、スッキリした味の黒があってもいいのではないだろうか。こんな仮説からスタートしました。

 またドライの特徴は「辛口」と「切れ味」。ドライのブランドで発売する限りは、黒ビールでも後味はスッキリさせたいという想いがありました。

土肥:開発にあたって苦労されたことはありますか?

室井:黒ビールでありながら、爽快に飲める――。言葉で言うのは簡単ですが、実は作るのがとても難しかったんですよ。なぜできたかというとドライの歴史があったから。ドライは25年前に発売しましたが、味わいは一切変わっていません。ただし醸造技術はその後もブラッシュアップをし続けてきました。その知見を生かして、ドライブラックにはドライと同じ「酵母」を使ったんですよ。

土肥:ん? ビール作りにおいて、酵母ってそんなに重要なものなのですか?

室井:重要どころか、ビールにおいて酵母は「命」のようなもの。ここではビール作りの細かい話はしませんが、酵母というのは「門外不出」なんですよ。でも、ドライブラックではドライと同じ酵母を使いました。つまり、ドライの歴史がなければ、ドライブラックは誕生しなかったと言ってもいいでしょうね。

土肥:なるほど。次に「このビールはいける!」と思った瞬間はあるのでしょうか。

室井:また調査を行いました。ドライブラックのパッケージを見せて、飲みたいですか? と聞いたところ、多くの人が「飲みたい」と答えてくれました。ただこうした調査の場合、実際に飲んでみると評価が下がることが多いんですよ。

土肥:「あれ? たいしておいしくないなあ」と思うわけですね。

室井:ただドライブラックの場合は、評価がほとんど変わりませんでした。その瞬間、「いける!」と思いましたね。

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