それを示すかのように9月26日放送のラジオ番組でロングインタビューに応えた渡辺会長は松井について言及。「今いくつ? 38歳? 限界でしょう。38であれだけやったら相当ですよ。でも選手としては限界だけど、コーチとして指導はできる。人気も貫禄もカリスマ性もある」と評した後、松井と同じヤンキースに移籍して活躍中のイチローの名をあげて「頭がいい男でカリスマ性もある。あれだけの人間がそう何人もいるとは思えない。巨人の指導者として欲しいのは、松井秀喜よりイチローだね」とまで言い切った。
「ここまで言われてプライドをズタズタにされた松井が、古巣に戻ろうと思うわけがない」というのが、前出の関係者の見立てだ。自分と相容れない永遠のライバル関係にあるイチローまで引き合いに出され、コテンパンに叩かれれば気分がいいわけがない。
もし今オフ、松井が日本球界復帰を決めれば巨人はオファーをかけるはずだが、それは形式的な意味合いが極めて強い単なる“ポーズ”に過ぎない。本音は「ウチに無理をして来てもらわなくても結構」といったところだろう。
そこまで肩身の狭い思いをしながらも、松井がトップとシコリの残る古巣へ復帰するとは到底考えづらい。米国に残ってMLB球団とマイナー契約を結び、来年の春季キャンプに招待選手として参加。そして、もう一度メジャー再昇格を目指す。それが松井サイドの描く理想的なシナリオだ。あえてイバラの道を突き進む覚悟は出来ている。
巨人と松井。かつて蜜月関係にあったはずの両者の間には今もなお、すきま風が吹いている。
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