バンカラからおしゃれへ――明治大学がイメチェンに成功できたワケこれからのことがよく分かるコラム(1/4 ページ)

» 2012年08月01日 00時00分 公開
[小林浩,Business Media 誠]

著者プロフィール:

小林浩(こばやし・ひろし)

リクルート進学総研 所長、リクルート「カレッジマネジメント」編集長

1964年生まれ、1988年早稲田大学法学部卒。株式会社リクルート入社後、大学・専門学校の学生募集広報などを担当。経済同友会に出向し、教育政策提言の策定にかかわる。その後、経営企画室、コーポレートコミュニケーション室、特別顧問政策秘書、進学カンパニー・ソリューション推進室長などを経て2007年より現職。

文部科学省「熟議に基づく教育政策形成の在り方に関する懇談会」委員。株式会社宣伝会議発行「広報会議」にて、「外から見た大学」連載中。


 明治大学は「オシャレ」な大学だと思いますか、それとも「バンカラ」な大学だと思いますか? 「オシャレ」なイメージと答えたあなたは10代か20代、「バンカラ」なイメージと答えたあなたは30代以上ではないでしょうか。

 この10年ほど、各大学はブランド戦略に力を入れていて、保護者世代と学生(子ども)世代では、大学のイメージも随分様変わりしました。下の図のランキングはリクルートが高校3年生に実施している進学ブランド力調査の結果です(参照リンク)。さまざまなイメージを聞いているのですが、関東エリアでの「おしゃれな大学」ランキングでは、明治大学は7位という結果に。

リクルート進学総研「高校生に聞いた進学ブランドランキング2012」(クリックして拡大)

 これまで企業などで行われていたブランド戦略が、なぜ大学でも取り入れられるようになったのでしょうか。それは 大学全入時代を迎え、大学が「受験生を選ぶ」時代から、「受験生に選ばれる」時代に移行しているからなのです。

 大学の顧客対象になる18歳の人口は1992年の205万人をピークに、2011年には120万人と約4割減少しました。しかし進学率の上昇により、大学進学者は54万人から62万人と8万人も増加。今や、大学進学率は50%を超えているのです。

 その一方で、その間に進んだ規制緩和により、大学数も250校以上増えました。そのため、大学間における学生獲得競争は激化しており、「定員割れ」の私立大学は4割に達しています。また、これから2017年までは18歳人口は横ばいで推移しますが、その後再び人口減少が加速します。こうした環境の変化に対し、大学側は「いかに良い学生を数多く集めるか」というマーケティング戦略が必要となってきているのです。

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