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» 2012年07月19日 13時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:「神社や寺の楽しみ方を教えてください」――3人の“寺社ガール”に聞く (1/3)

“寺社ガール”と呼ばれる神社仏閣好きの彼女たちは、神社やお寺で自分のルーツ探しや自然に触れ、神聖なパワーをもらうという。どうやら私は神社や寺を「色眼鏡」で見ていたようだ。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。12月、異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。コンサルタント・エッセイストの仕事に加えて、クリエイター支援・創作品販売の「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など。中小企業診断士。ブログ「cotoba


 自分が安らかになれば世界が広がる。人に社会に受け入れられる。

 人生は悩んだり迷ったりの連続である。自分がやることが通じない、分かってくれない。これって誰かのためになるのだろうか。そもそもこれは、人生をかけるに値するだろうか?

 悩んだときに私たちは人生本を読んだり、友人や上司に聞いてもらったり、異なる世界の勉強をしたり、旅に出たり……。どれもいい。だがいつでも「自分に帰れる場所」が身近にもてたらもっといい。実は都会の中にそこに行くだけで素直になれて、ふっとわれに返れて、自然がいっぱいの場所がある。

 それは神社やお寺。オトコより何事も一歩先をいく女性はそこを活用している。“寺社ガール”と呼ばれる神社仏閣好きは、自分のルーツ探しや自然に触れ、神聖なパワーをもらう。3人の寺社ガールに、神社やお寺の楽しみ方、「自分という生き方探し」を教えてもらった。

寺社ガールNo.1:神社は感謝の場、お寺は自己解放

「日本人は世界一宗教心が薄いといわれます。でも昔の日本人は違ったんです。身近なところに神さまを感じていました」

うふふ 手水(ちょうず)をとる平岡理枝さん

 ナレーターとして活躍する平岡理枝さんと松戸神社(千葉県松戸市)で会った。ここは宇宙飛行士の山崎直子さんが氏子であることでも知られる。境内をめぐると、水神社(水難除け)、疱瘡神社(疫病除け)、浅間神社(富士山信仰)、そして庚申(こうしん)社などの小さな社(やしろ)が集まる。“いろんな悩み”を一手に引き受けてくれるのが神社でもある。

「庚申信仰は人の中にいる虫が『この人はこんな悪いことをした』と天に告げにいくのを妨げるために、庚申の日に1カ所に集まって虫が身体から抜け出さないよう、夜通し寝ないようにしていたんです」

 小さな社にも深いいわれがある。飛来する蚊をはたきながら「虫送り」も教わった。虫害の発生する季節に、鉦(かね)や太鼓をたたきながら、害虫を村の端まで追いやる民間信仰である。これは村が厳しい自然から生き延びる共同体の知恵とも言える。

 彼女はやりたいことで悩んだ時期があった。「こんなにやっても、どうして認められないのか」

 引き寄せられるように、広済寺(千葉県)の仏教劇「鬼来迎(きらいごう)」を観た。重要無形民俗文化財として、地獄の恐ろしさと菩薩の慈悲を伝える劇が数十軒の集落で800年続く。地獄もあれば慈悲もある。そこに心を動かされ、以来、寺社をめぐるようになった。寺では座禅を組み、少浴知足(しょうよくちそく=欲望は限りないもの。多くを望まず、今あることに感謝し、満足すること)を学ぶ。

「落ち着きたいときは座禅です。心の安定が無料できるからお得です(笑)。神社は感謝の場、お寺は自己解放です」

 平岡さんは各地の神社や寺を巡り朱印(参拝者への押印)もいただく。彼女の朱印帳から、「ちっぽけな」悩みやそこで得た「大きな」充足感が見える気がした。朱印とは「自分が安らかになった印」なのだろうか。

うふふ 平岡さんの朱印帳
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